彼女の自信

文字数 392文字

僕が
「君の事、好きになりすぎて苦しい。」
と彼女に言うと、彼女は
「一生、苦しめてやる。」
と言った。

僕は笑って
「一生?・・・人を恋で一生苦しめる事なんて出来るはずはないよ。」
と言った。 

彼女は僕の顔に近づいて、僕の目を自信ありげにじっと見つめた。

そして再び
「一生、苦しめてやる。」
と呟いた。

僕は、彼女の透き通った瞳の奥にある、彼女の心の奥に仕舞われた記憶に引き込まれた。

遠い昔の記憶 
遠い昔の約束 

風が吹く丘の上での出会い
命懸けの禁断のラブロマンス
落城寸前の城で、誓った永遠の愛
遺伝子に刻み込まれた、2人の宿命

僕は彼女以外を愛せず、彼女も僕以外を愛せない。

そんな、未来永劫続く拘束。

その時、僕は彼女の言葉が、動かしようが無い事実である事を悟った。
「何か言いたい事は?」
と彼女は僕に問いかけた。僕は
「好き・・・です。」
と答えた。

そして、僕は千年の昔から、ずっと求めて愛した人を抱きしめた。


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