(二)-15

文字数 230文字

 その週末、私は崎玉県川居町の実家に戻った。祖母の七回忌の法事があったのだ。
 日曜の午前中にお寺での法事があり、その後親戚と食事をした後、実家の家に戻ってきた。そして家を出てから一ヶ月も経っていない自分の部屋に入った。
 永尾武雄の言葉が引っかかり、中学時代の卒業アルバムを引っ張り出して見てみた。懐かしいクラスメートの顔写真が並んでいた。
 私は、その中で、永尾武雄の名前を探した。永尾武雄、永尾武雄……。一四〇人ほどの同窓生の中に、彼の名前はなかった。

(続く)
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