(二)-4

文字数 294文字

 三人組の真ん中の友達は「じゃあ、『あっ』ってなによー」なんて言いながら「私、経済学部の佐世保ミリアでーす」とテンション高めに自己紹介した。
 さらに里穂の隣の友達が「私は同じく経済学部の大町里穂です」と続けた。
「俺は永尾武雄。法学部の同じ一年生」
 彼は笑顔で自己紹介した。その顔は間違いない。今朝、私の家の私のベッドで私の隣に寝ていた男だった!
 まあ、全くどこの誰とも知らないような怪しい男よりはずっとマシか……。同じ学生だし、こうして同じサークルにいるのだ、連絡もつくだろう。これが全く誰とも知らない男だったりしたらと思ったら恐怖だが、ある程度の素性がわかると、少し落ち着いた。

(続く)
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