#6 自分語り(大学生編)

文字数 764文字

 高校卒業後、一年間、通いの家庭教師で勉強することになりました。別に私が望んだことではないので、これを浪人生というのか分かりませんが。
 中学の家庭教師のときと同じで、最初は頑張る、徐々に宿題ができなくなる、授業も眠い、先生に嫌われる、といういつもの流れ。

 成り行きで、電車で六時間離れたところの大学に入学しました。正直、レベルは高くないです。そこの文系学科に入りました。私が望んだわけではないです。

 さて、大学入学に伴い一人暮らしとなりました。大学は中高と違い、自分の教室や担任がいないので、困ったことがあっても誰も面倒を見てくれません。
 加えて、私の事情を誰も知らないので、教師からの不適切な対応や、一部学生からの虐めまがいの絡みが酷いです。
 授業も最初こそ頑張りますが、緘黙の私にはもう対応不可なことばかり。さすがに中高と同じようにはいきません。

 私は退学を決意します。しかし、一年経たずにやめたと言われるのは嫌なので、一年間は続けようと思いました。でも、もし進級に必要な単位を取って、“せっかくだから続けなさい”、などと言われては困るので、あえて単位を落とす方針にしました。

 一年が経ち、“進級できない”という連絡が親に届きました。これを機に、私も「やめたい」と打ち明けますが、父親が“もう一回一年生頑張ってみろ”と言うのです。
 “やめたいなら自分で大学に言ってこい”、というのでもう売り言葉に買い言葉……ではないですが、さすがに私も我慢の限界、言われたその足で大学に行き、「大学やめたいんですけど……」を絞り出します。その後、“なぜやめたいのか”、とかいろいろ訊かれたけど、緘黙なのでこれ以上は答えられない。
 結果、私はやめることができたのです。

 数年後、実は休学扱いだったことが判明しますが、もちろん戻る気は一切ない。
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