#3 自分語り(小学生編)

文字数 918文字

 『緘黙雑記』を始めたものの、何を書いたらよいものか……。とりあえず自分の経験が自分にとって一番の参考資料なので、そこから書きます。人それぞれ事情や状況が違うので、あくまで私の場合の話になります。

 元々保育園とかあまり行きたがらない性格で、小学校も行き渋りをすると、担任が車で迎えにきて無理やり連れていかれたりしました。ちょいちょい休んだりもするけど、不登校とまではいかない感じ。
 明確に嫌な理由があるわけでもなく、今振り返っても“これ”という大きな理由があるわけでもない。たぶんいろんな小さな要因の積み重ねなんだろうと思います。
 朝起きるのが苦手だったり、コミュニケーションが苦手だったり、ルールに合わせるのが苦手だったり……、そういう小さなストレスの積み重ねなんですよね。

 “そんなの皆同じだ、それでも皆我慢してる、甘えるな”、――という声が聞こえてきそうです。私自身そうかもなって思うことがあります。
 もっとも、他の人が実際どんなふうに感じているかは分かりませんけど。

 小学校卒業が近付いてくると、同級生の子達は“早く中学生になりたい”と言うのに対して、私の心中では“現状が壊れるのが嫌だ”と思っていました。
 せっかく気持ちが少し楽になってきたのに、それが卒業で全部リセット。中学校という全く未知の環境に放り込まれてしまう恐ろしさたるや。

 中学はスクールバス、満員どころか補助席まで出す人の多さ。車内の狭さも相まり、不安と緊張ばかり高まる。学年の生徒数は小学の三倍強。同じ小学校の子はなぜか他校からの子と知り合いで、私はそんな子は一人もいない。校舎の構造も把握してないし、部活は強制入部だし、小学とはいろいろやり方違うし、席が一番前だから他の子の様子見ができない。
 とにかく全部がゼロスタート、それでいて神業的な適応力が求められている状況だったのです。

 私はまず人間関係から頑張ろうと考えました。人見知りだからこそ、最初に喋れなかったら挽回するのは難しいぞと直感したのです。
 しかし、思い描いたスタートダッシュを切れず、おろそかにした環境への適応も失敗。そんな身動きできない私を誰も助けてくれない。

 結果、入学四日で挫折しました。
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