第9話返事がない期間

文字数 570文字

【私に会ってくれませんか?】

 このメールを送って、もう何日が経ったのだろう。
 私は、カズヒコさんからの返事を待っているのに、全く音沙汰がない。
 タイムラインは更新されているのに、どうして返事がないのだろう。
 カズヒコさんからの返事を待っているこの時間さえも、どんどんその思いが溢れ出てくる。
 今何をしているのかはタイムラインを見てなんとなく分かっている。
 なんなら私以外の誰かとやり取りしているのも、表でみえている分にはわかっている。

……どうして?

 どうして返事をくれないの?
こんなに私は愛しているのに。
それに答えず他の人とやり取りしているなんて。

 私への対応の時もそうだったけれど、カズヒコさんは、表以外でも裏、いわゆるメッセージでやり取りしている人もいるはずだ。
 私とのやり取りは終わりにして、他の人と裏でやり取りをしているとしたら……許せない。

 そんな感情が、ふつふつと沸いてきた時である。
 カズヒコさんのタイムラインにラーメン屋があった。
 ここは近くはないが、チェーン店じゃなくそこにしかない店。
 私はすぐさまネットで検索をする--電車で片道二時間くらい。
 毎週金曜日の仕事終わりに行く、仕事の定時が夜六時だから……。
 考えは、まとまった。あっという間だった。
 直接伝えよう。この溢れる気持ちを。
 待っててね、大好き、カズヒコさん。
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