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文字数 390文字



時間が止まるなんて
魔法使いじゃないのに
ありえないと思った
今日この瞬間まで
真新しいユニフォームを
初めて着たのはもう随分昔
初めの頃は汚れていく事が
たまらなく嫌だった
でも誰かに負けるのが
もっと嫌になっていった
楽しいことはたくさんあった
友達と同じ事もしたかった
でも昨日できなかった事が
できる喜びが嬉しすぎて
眠れなくなる夜を迎えたら
もう少しだけ頑張ろうと
夢の中で叫んでた
番号をもらえる1人になれた事が
僕をもっと強くさせた
誰かの悔しさと誰かの声援が
僕の背中をずっと支えてくれた
何度ももうダメかもと
そんな瞬間を迎えたけど
ここに立てなかった君の声が
聞こえた瞬間に全ての音がかき消され
ほんの一瞬僕以外の時間が
はっきりと止まった事を感じられた
この手で引き寄せた勝負の行方を
みんなで分かち合う喜びを
今この瞬間に全てをかけてきたから
届かないと諦めずに
伸ばした手の先で握りしめたモノを
僕はきっと一生忘れない


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