ステキブンゲイ応募済。

　中井は失業後、仕事を探す日々を送っていた。
　家で聞いたラジオで聞き覚えのあるバンドの名前と、持っていたＣＤが垂えんの一品であると知る。
　ＣＤを探すが見つからず、実家にあることに気付く。
　急いで実家に向かい、ＣＤを見つける。開封すると、ジャケットからメモが出てくる。メモには住所と店の名前が書いてあった。
　ＣＤは同級生の高橋が、一緒にイトスギの絵を描いている途中で渡してきた。
　中井は高橋が押し切る形でＣＤを受け取るが、翌日以降学校に来なくなり、転校したと知った。
　同時に、高橋と描いた絵が入った丸筒も見つかる。
　絵は高橋との思い出の一部であり、過去にやり残していた事だった。
　中井は気になった住所に向かう。
　住所は喫茶店で、高橋が描いた絵が飾ってある。
　店にいる人から、高橋が毎日来店して絵を教わると同時に、中井が来ていないかと尋ねていたと知る。絵が完成しても中井は来店し続けたが、突然来なくなったという。
　中井が来た時に渡すようにと絵を外すが、絵に挟んであるカードが落ちる。カードには住所が書いてあり、中井は書いてある住所に向かう。
　住所は駐車場だった。
　中井は高橋に会えなかったのを後悔し、高橋との再会を諦めた。
　翌日、植物園でイトスギの絵の続きを描き始めた。