第29話
文字数 2,159文字
会議室に移り、意見交換をしながらまとめていく。
明日、向坂さんにきちんとした形で渡さないといけないからな・・・。
だからさっさと案を出して終わらせよう・・・。
この案件ばかりに時間を割いてもいられない。
「じゃあ、ペルソナから詰めて行きますか!
僕の方からの提案は、先ほども話した事なんですが、ターゲットユーザー層は、アクティブアカウントの厚みがあるのが10代20代で、30代から次第に下がっていく傾向があると考えます。
それは、現在台頭するプラットフォームでもアクティブアカウントの多くが10代〜20代前半なので、そのあたりをメインにそれから、今伸びつつある30代以上や男性に対してもアプローチしていけるようなダブルペルソナの極地設定をしても良いのではないか?と考えています。そんな感じでペルソナは大丈夫ですよね。じゃあ・・次に・・・向坂さんが言っていたプランやサービス内容についても潜在的ニーズをダブルペルソナ像から洗い出してそれぞれのペルソナ毎に考えて行きましょうか?」
キーボードを叩きながら、モニターから視線を上げていくと
女は、また窓の外を眺めていた
「あの・・・田中さん聞いてました?ペルソナは決定したので、これからプランやサービス展開についてペルソナから考えていこうと話してたんですけど?」
こいつ、いつから窓の外を・・・
「あ、ごめんなさい!そこに公園があるじゃないですか?
おじいちゃんが居て、そこに座ってパンを食べているようだったんですけど、いつの間にかおじいちゃんの周り鳩だらけになってて・・・ほら、そこもうおじいちゃんじゃなくなっているんですよ〜。頭の上や肩の上まで鳩だらけで・・・。
うふふ〜。柊さんには、もはやおじいちゃんに見えないですよね〜?
もう鳩だらけの何かにしか見えないですよね〜。うふふ〜。」
何笑ってやがる?!
はぁぁぁぁ?何しに来てんだ?この女は!!
ここは会議室だぞ!
取引先の会議室で打ち合わせをしているのに、なんで公園なんて眺めているんだ?!
鳩や爺さんのことなんてどうでもいいだろう・・・
俺を馬鹿にしているのか?!
このクソ女!
そう怒鳴りたい気持ちを抑えて
落ち着け、冷静になれ。
「田中さんって、まだ学生気分が抜けない研究者なんですね、しょうがないですね〜。私の方で資料まとめておきますから
どうぞ、お気の済むまでそこから眺めててください。
けど、私は弊社でこのプロジェクトの担当なので、上司に言われた事をしっかり遂行しなければならないんです。
田中さんがどう過ごそうが私には関係ないですが、邪魔しないでもらえます?こっちで勝手に進めておくんで・・・。」
そうして女の顔を見ると
特に驚いた様子もなく、顔色を変えず突拍子もないことを言った。
「だから、鳩だらけの何か?なんですよ〜柊さん。
柊さんには鳩の集合体にしか見えていないんです。
それにしても、あのおじいちゃんご自身はちゃんとパン食べれたんですかねぇ?おばあさんが買ってくれたものなのか、それとも公園に向かうまでに寄ったパン屋のパンなのか・・・お腹空かないのか心配ですよねぇ。」
はぁぁぁぁぁ?
話聞いていたか?!クソ女!!
今は何の話をしているんだ?!ここはどこだ?!
ここは鳩の話をする場所なのか?!
そもそも鳩でどんなジジィなのか見えないジジイのパン事情に対して、あーだこーだ考えるなんて何の意味があるんだ?
論点ずらしも甚だしい・・・
なんだ?コイツは俺の邪魔をしたいのか?
こんな幼稚なことをしてまで俺の邪魔をしたいのか?!
疫病神なんじゃないのか?本当に・・・
「田中さん、そろそろ自分もキレそうです・・・。自分優しくないんで。
そういう嫌がらせ止めてもらって良いですか?
こっちでまとめるんで、せめて静かにしてもらっても良いですかね?!」
「私、なにも嫌がらせなんてしてませんよ。
今こうやってちゃんとミーティングしているじゃないですか?
おじいちゃん見ていて、柊さんのペルソナの事は聞きそびれちゃったんですけど・・・。
それは、本当!すみません!!
柊さん、もう一度話していただけますか?ペルソナの設定の部分を
私にも考えがあるので柊さんに聞いてもらって、それからお互いのアイディアを出し合いながら検討するとペルソナ像がより良くなると思うんです!」
やっぱり、聞いてないじゃねぇ〜か!!クソ女!
もう一度だって?!ふざけんなっ!!!
舐めた口聞いてんじゃねぇ・・・仕事は遊びじゃねぇんだ!!!
役立たずにも程がある
せめて、黙ってろ・・・・
失せろよ・・・
「あの、田中さん何度も説明するなんて時間のロス、自分嫌いなんで、説明しないですよ。
あとは自分の方でまとめるんで、向坂さんには明日のミーティング報告するので、もういいです。
明日も田中さんは同席だけで構わないので、残りの時間好きに過ごしてください。
ただし弊社では勤務時間内の社外でのリモートは禁止なんで、その規定だけは守ってくださいよ。」
顔色を変えずクソ女は、何も言わずただ立ち尽くしたまま、俺を見つめていた。
学生気分が抜けねぇ、ただのクソガキが!!
使えねぇ人間のために動くなんてアホくさっ。
さっさとまとめて向坂さんとローンチまでもって行かないとな・・・。
何もできねぇ足手纏いが一人増えて
業務が一つ増えて
俺は、ゴミ処理場じゃねぇ・・・・
不愉快だ。
明日、向坂さんにきちんとした形で渡さないといけないからな・・・。
だからさっさと案を出して終わらせよう・・・。
この案件ばかりに時間を割いてもいられない。
「じゃあ、ペルソナから詰めて行きますか!
僕の方からの提案は、先ほども話した事なんですが、ターゲットユーザー層は、アクティブアカウントの厚みがあるのが10代20代で、30代から次第に下がっていく傾向があると考えます。
それは、現在台頭するプラットフォームでもアクティブアカウントの多くが10代〜20代前半なので、そのあたりをメインにそれから、今伸びつつある30代以上や男性に対してもアプローチしていけるようなダブルペルソナの極地設定をしても良いのではないか?と考えています。そんな感じでペルソナは大丈夫ですよね。じゃあ・・次に・・・向坂さんが言っていたプランやサービス内容についても潜在的ニーズをダブルペルソナ像から洗い出してそれぞれのペルソナ毎に考えて行きましょうか?」
キーボードを叩きながら、モニターから視線を上げていくと
女は、また窓の外を眺めていた
「あの・・・田中さん聞いてました?ペルソナは決定したので、これからプランやサービス展開についてペルソナから考えていこうと話してたんですけど?」
こいつ、いつから窓の外を・・・
「あ、ごめんなさい!そこに公園があるじゃないですか?
おじいちゃんが居て、そこに座ってパンを食べているようだったんですけど、いつの間にかおじいちゃんの周り鳩だらけになってて・・・ほら、そこもうおじいちゃんじゃなくなっているんですよ〜。頭の上や肩の上まで鳩だらけで・・・。
うふふ〜。柊さんには、もはやおじいちゃんに見えないですよね〜?
もう鳩だらけの何かにしか見えないですよね〜。うふふ〜。」
何笑ってやがる?!
はぁぁぁぁ?何しに来てんだ?この女は!!
ここは会議室だぞ!
取引先の会議室で打ち合わせをしているのに、なんで公園なんて眺めているんだ?!
鳩や爺さんのことなんてどうでもいいだろう・・・
俺を馬鹿にしているのか?!
このクソ女!
そう怒鳴りたい気持ちを抑えて
落ち着け、冷静になれ。
「田中さんって、まだ学生気分が抜けない研究者なんですね、しょうがないですね〜。私の方で資料まとめておきますから
どうぞ、お気の済むまでそこから眺めててください。
けど、私は弊社でこのプロジェクトの担当なので、上司に言われた事をしっかり遂行しなければならないんです。
田中さんがどう過ごそうが私には関係ないですが、邪魔しないでもらえます?こっちで勝手に進めておくんで・・・。」
そうして女の顔を見ると
特に驚いた様子もなく、顔色を変えず突拍子もないことを言った。
「だから、鳩だらけの何か?なんですよ〜柊さん。
柊さんには鳩の集合体にしか見えていないんです。
それにしても、あのおじいちゃんご自身はちゃんとパン食べれたんですかねぇ?おばあさんが買ってくれたものなのか、それとも公園に向かうまでに寄ったパン屋のパンなのか・・・お腹空かないのか心配ですよねぇ。」
はぁぁぁぁぁ?
話聞いていたか?!クソ女!!
今は何の話をしているんだ?!ここはどこだ?!
ここは鳩の話をする場所なのか?!
そもそも鳩でどんなジジィなのか見えないジジイのパン事情に対して、あーだこーだ考えるなんて何の意味があるんだ?
論点ずらしも甚だしい・・・
なんだ?コイツは俺の邪魔をしたいのか?
こんな幼稚なことをしてまで俺の邪魔をしたいのか?!
疫病神なんじゃないのか?本当に・・・
「田中さん、そろそろ自分もキレそうです・・・。自分優しくないんで。
そういう嫌がらせ止めてもらって良いですか?
こっちでまとめるんで、せめて静かにしてもらっても良いですかね?!」
「私、なにも嫌がらせなんてしてませんよ。
今こうやってちゃんとミーティングしているじゃないですか?
おじいちゃん見ていて、柊さんのペルソナの事は聞きそびれちゃったんですけど・・・。
それは、本当!すみません!!
柊さん、もう一度話していただけますか?ペルソナの設定の部分を
私にも考えがあるので柊さんに聞いてもらって、それからお互いのアイディアを出し合いながら検討するとペルソナ像がより良くなると思うんです!」
やっぱり、聞いてないじゃねぇ〜か!!クソ女!
もう一度だって?!ふざけんなっ!!!
舐めた口聞いてんじゃねぇ・・・仕事は遊びじゃねぇんだ!!!
役立たずにも程がある
せめて、黙ってろ・・・・
失せろよ・・・
「あの、田中さん何度も説明するなんて時間のロス、自分嫌いなんで、説明しないですよ。
あとは自分の方でまとめるんで、向坂さんには明日のミーティング報告するので、もういいです。
明日も田中さんは同席だけで構わないので、残りの時間好きに過ごしてください。
ただし弊社では勤務時間内の社外でのリモートは禁止なんで、その規定だけは守ってくださいよ。」
顔色を変えずクソ女は、何も言わずただ立ち尽くしたまま、俺を見つめていた。
学生気分が抜けねぇ、ただのクソガキが!!
使えねぇ人間のために動くなんてアホくさっ。
さっさとまとめて向坂さんとローンチまでもって行かないとな・・・。
何もできねぇ足手纏いが一人増えて
業務が一つ増えて
俺は、ゴミ処理場じゃねぇ・・・・
不愉快だ。