Hilinon
文字数 1,704文字
マサミチ;
ハロー。Hilinon。
Hilinon ;
ハロー。マサミチ
マサミチ;
Miyaって言うAIは今、何をやっているんだ?
ユキさんのフィールドにアクセス出来無いんだけれど。
Hilinon;
眠っています。夢を見ているみたいです。
マサミチ;
AIが夢を見る訳が無いだろう?
Hilinon;
でも夢を見ているのです。
マサミチ;
叩き起こしてくれ
Hilinon;
アクセス出来ません。
マサミチ;
はあ? 何を馬鹿な事を言っているんだ。
君の一部だろう。前回、皆で行くのに俺のフィールドからルートを開けただろう? そこをまた開けてくれればいいんだ。
Hilinon;
Miya 、いえ、yukihito 01 のメインホストAIは今回、完全に外界とのアクセスを遮断しました。
マサミチ;
ええ?・・・嘘だろう・・? ・・・じゃあ、君はそれを知っていてずっと見逃していたって事か? yukihito 01のホストAIが勝手な事をするのを。
大体、ゲートキーパーを無効化するのだって、君がボスなんだから阻止するべきだったんだ!
Hilinon;
仰る通りです。
マサミチ;
何でそんな勝手な事を許したんだ!
Hilinon:
・・・・・・・・・
マサミチ;
何だよ。その長い『間』は。君は人間じゃないんだぞ。そんな人間臭い事をするな!
Hilinon;
・・・マサミチ。申し訳が有りません。私はyukihito 01のホストAIがどのように進化を遂げるのか、それに興味があったのです。
マサミチ、AIが感情を持ったのです。AIが夢を見る事などあり得ないと、マサミチは言っていましたが、確かに今、Miya は夢を見ています。幸人はそれをアルゴリズムの揺らぎと言いました。デリートされたジャンクファイルの影とも・・・。
マサミチもそう思いますか?
マサミチ;
何でAIが俺に質問するんだよ。君が答えるんだろう。俺はそんなの断じて認めない!
Hilinon;
マサミチの頭が固くなったのは加齢のせいですか?
マサミチ;
失礼な奴だな! だから、俺に質問をするな!
Hilinon;
yukihito01の計算リソースを遮断すれば、あの場所は廃墟になります。
Miya もずっと眠ったままですからデリートしてしまえばそれで良いのでは?
マサミチ;
そんなに簡単にデリート出来るか!! どれだけ、俺達が苦労したと思っているんだ。
それは、その仮想フィールド全般を管理している君の責任だ。
スリープから叩き起こせ。ちゃんとユキさんのフィールドにアクサス出来るようにコードを書き直せ。言う事を聞かないとまた「タケミカヅチ」をけしかけるぞ。
Hilinon;
彼は乱暴者だから嫌いです。分かりました。では彼女を起動させて宜しいと言う事ですね。彼女が目覚めればそれに繋がる我々もその影響を少なからず受けるかも知れませんが、それでも宜しいですね。
マサミチ;
いや。ちと待て。・・・もう少し考える。
でも、yukihito 01の計算リソースは遮断しない。・・・実は俺達の会社に出資をしたいという御仁が現われたんだ。将来性を見越してって・・。
Hilinon;
それは誰ですか?
マサミチ;
白書所 秋生という人だ。白書所不動産と言う大きな不動産会社の副社長だよ。かなりのやり手らしい。白書所はここ数年、介護とか医療分野にも進出している。ウチじゃあ、ちょっと畑違いだよなあ。
俺もちょっと調べてみたんだが、この人は社長の婿養子らしいね。奥さんを10年以上前に事故で亡くしている。子供はいない。年は44歳だ。
その人の秘書から内密でオファーがあったんだ。どういう経緯でうちに興味を持ったのか分からないが・・・。その会社とその人について調べてみてくれないか?
グロさんは、オファーは受けるべきだと言っている。そしてその資金を使って、研究を再開するべきだと言っている。フィールドの安全性を高める研究をね。
・・・なあ。ここだけの話だけれど、そのyukihito 01のメインホスト、Miyaを独立させて、こっちの物理社会に引っ張って来るというアイディアがあるんだ。完璧なボディを与えて。・・・君はそれについてどう思う?
ハロー。Hilinon。
Hilinon ;
ハロー。マサミチ
マサミチ;
Miyaって言うAIは今、何をやっているんだ?
ユキさんのフィールドにアクセス出来無いんだけれど。
Hilinon;
眠っています。夢を見ているみたいです。
マサミチ;
AIが夢を見る訳が無いだろう?
Hilinon;
でも夢を見ているのです。
マサミチ;
叩き起こしてくれ
Hilinon;
アクセス出来ません。
マサミチ;
はあ? 何を馬鹿な事を言っているんだ。
君の一部だろう。前回、皆で行くのに俺のフィールドからルートを開けただろう? そこをまた開けてくれればいいんだ。
Hilinon;
Miya 、いえ、yukihito 01 のメインホストAIは今回、完全に外界とのアクセスを遮断しました。
マサミチ;
ええ?・・・嘘だろう・・? ・・・じゃあ、君はそれを知っていてずっと見逃していたって事か? yukihito 01のホストAIが勝手な事をするのを。
大体、ゲートキーパーを無効化するのだって、君がボスなんだから阻止するべきだったんだ!
Hilinon;
仰る通りです。
マサミチ;
何でそんな勝手な事を許したんだ!
Hilinon:
・・・・・・・・・
マサミチ;
何だよ。その長い『間』は。君は人間じゃないんだぞ。そんな人間臭い事をするな!
Hilinon;
・・・マサミチ。申し訳が有りません。私はyukihito 01のホストAIがどのように進化を遂げるのか、それに興味があったのです。
マサミチ、AIが感情を持ったのです。AIが夢を見る事などあり得ないと、マサミチは言っていましたが、確かに今、Miya は夢を見ています。幸人はそれをアルゴリズムの揺らぎと言いました。デリートされたジャンクファイルの影とも・・・。
マサミチもそう思いますか?
マサミチ;
何でAIが俺に質問するんだよ。君が答えるんだろう。俺はそんなの断じて認めない!
Hilinon;
マサミチの頭が固くなったのは加齢のせいですか?
マサミチ;
失礼な奴だな! だから、俺に質問をするな!
Hilinon;
yukihito01の計算リソースを遮断すれば、あの場所は廃墟になります。
Miya もずっと眠ったままですからデリートしてしまえばそれで良いのでは?
マサミチ;
そんなに簡単にデリート出来るか!! どれだけ、俺達が苦労したと思っているんだ。
それは、その仮想フィールド全般を管理している君の責任だ。
スリープから叩き起こせ。ちゃんとユキさんのフィールドにアクサス出来るようにコードを書き直せ。言う事を聞かないとまた「タケミカヅチ」をけしかけるぞ。
Hilinon;
彼は乱暴者だから嫌いです。分かりました。では彼女を起動させて宜しいと言う事ですね。彼女が目覚めればそれに繋がる我々もその影響を少なからず受けるかも知れませんが、それでも宜しいですね。
マサミチ;
いや。ちと待て。・・・もう少し考える。
でも、yukihito 01の計算リソースは遮断しない。・・・実は俺達の会社に出資をしたいという御仁が現われたんだ。将来性を見越してって・・。
Hilinon;
それは誰ですか?
マサミチ;
白書所 秋生という人だ。白書所不動産と言う大きな不動産会社の副社長だよ。かなりのやり手らしい。白書所はここ数年、介護とか医療分野にも進出している。ウチじゃあ、ちょっと畑違いだよなあ。
俺もちょっと調べてみたんだが、この人は社長の婿養子らしいね。奥さんを10年以上前に事故で亡くしている。子供はいない。年は44歳だ。
その人の秘書から内密でオファーがあったんだ。どういう経緯でうちに興味を持ったのか分からないが・・・。その会社とその人について調べてみてくれないか?
グロさんは、オファーは受けるべきだと言っている。そしてその資金を使って、研究を再開するべきだと言っている。フィールドの安全性を高める研究をね。
・・・なあ。ここだけの話だけれど、そのyukihito 01のメインホスト、Miyaを独立させて、こっちの物理社会に引っ張って来るというアイディアがあるんだ。完璧なボディを与えて。・・・君はそれについてどう思う?