第六十四話『戦闘開始』

文字数 1,238文字

そう、この「D級英雄ランク戦」最後のボスは「大龍 - ワイバーン」だった。

全滅した珊瑚たちがスタート地点に転送されようとしている。その状態の珊瑚が無理やり声を出し、僕らに告げる。「このまま戻って、逃げるんや、これは、君らが勝てるような相手ちゃうで」珊瑚が最後の力を振り絞って僕に告げる。

その声を無視して、珊瑚たちのチームと「大龍 - ワイバーン」のリンクが消えるのを待つ。この「ラスト・オンライン」は同時に別のチームが敵と戦うことができない。そのためリンクという概念がある、繋がってる物同士だけが戦闘できる。

その、「大龍 - ワイバーン」と珊瑚たちのリンクが、珊瑚たちの全滅により、外れる。転送までしばらくかかるため、転送より、リンクの解消の方が先に起きるようだ。

そして、僕達と「大龍 - ワイバーン」がリンクする。
2017/06/03 23:01
「あぁああ、だから逃げろ言うたのに」
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珊瑚が叫ぶ。
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「そういうわけには行かない!!」
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と僕は珊瑚に叫ぶ!
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「君らの戦いを見て、そういうことは出来ない!!逃げるわけには行かないんだ!!」
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とさらに僕は叫ぶ。

僕らは、すでに「大龍 - ワイバーン」との戦闘開始位置まで近づいていた。すでに戦う覚悟があったからだ。この珊瑚たちの状況を見て帰ることは出来ない。

そして、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を構える。キイィィィィンという音が響き、「 神の剣 -デュランダル 」に光が集る。
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「疾風!!」
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SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」の更にレアスキル、「目が届き、障害物がないすべての範囲」に攻撃が出来る『疾風』を発動させた。

その刹那、その剣戟は「大龍 - ワイバーン」の右翼に当たった。右翼にダメージが発生する。99,999とカンストの数字が表示され、「大龍 - ワイバーン」の右翼が消滅した。
2017/06/03 23:02
「ま、まじでか?!あれだけびくともせんかった、『大龍 - ワイバーン』の羽が消滅した!?」
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珊瑚が驚いている。僕らは間に合わなかったので見ることはできなかったが、多分、瑠璃、珊瑚、水晶の方もいつもの総攻撃で戦っていたが効かなかったのだろう。
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「き、君ら何もんなんや??」
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珊瑚が叫ぶ。
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「何者でもないよ、通りすがりのドラゴンハンターさ!」
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僕は笑って答えた。
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「ジュン・・・」
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珊瑚の声がかすれていく。
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「先に行って休んでてくれ、珊瑚たちの仇は僕らが取るよ!」
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「そうだよ珊瑚ちゃん。」
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「任せて下さい」
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奈緒子もそう言った。

それに応えるかのように
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「ありがと・・・」
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と、そこまで言うと転送が始まり、珊瑚達はスタート地点まで飛んでいってしまった。

珊瑚の方を振り返らずに僕はワイバーンの方を睨んだ。
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「さあ、ドラゴン退治と行こう!」
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元A級の珊瑚たちをあっさりと全滅に追いやった、「大龍 - ワイバーン」に対し、逃げることもせずに、戦うことを選択した僕ら。僕がみんなに言った。
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「よっし」
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「はい!」
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サラと奈緒子も構えた。

ついにD級英雄ランク戦の最終ボス「大龍 - ワイバーン」との戦が始まる。
2017/06/03 23:05
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登場人物紹介

ジュン

サラ

奈緒子

珊瑚

瑠璃

水晶

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