第9回 注意書き必須。

文字数 2,064文字

昨今の録画機能は大変便利ですね、と超今さらなことを痛感しているステイホーム期間。
一週間先の録画も予約できるし、裏番組も同時に録画できちゃう。ただでさえテレビ大好き人間なのに、ますますテレビにかじりつきになってしまいます(VHS録画期間が長かったゆえの感動)。


で、さらに録画した番組を観るとき、CMを勝手にバンバン飛ばしてくれる機能。
すんごいストレスフリー。
1時間のドラマ番組も正味45分くらいで観れちゃう。
これは積み重なればかなりの時間節約!(節約してもなにか有効に使うわけじゃないけど!)


ただ、我が家の録画機能はそこまで最新機能ではないのか、同時に2番組録画を決行しているときは、CMを飛ばせなくなるという現象に陥っています。
日ごろ機械任せなもんで、CMに対する免疫力が低下しているのでしょうか。
特別予定が立てこんでいるわけでもないくせに、つい早送りをしてしまいます(なぜかチャプターで区切られてもいない現象なので次へが押せない!)。
すると、ちょうどいいところで再生できるセンスが抜群に欠けているゆえ、本編が始まってしまいうぬぬぬー!となり、巻き戻しすぎてさらにぬあああー!となります。


だから、最近はあきらめてCMを享受しようと思い、ぼんやりと観ています。
CMだって悪くないですよね。今のところCMにしか出演していない未来のスターと出くわす可能性もあるし、CMで流れているおされサウンドに気づくこともできるやもだし、こんなお得な商品があるのかとCM本来の目的と手を取りあうことだってあるでしょう。


が。
個人的にCMで気になったところはそこじゃあなく。




注意書き多くね?



ってことです。
いや、ていうか、注意書きのないCMなんてあります?というレベル。
注意書きってあれです。
主に下のほうに、いったい誰が読めるんだってくらい小さな文字で細々書いてあるあれです。
たとえ視力がよくても、一瞬で消えたり場面が切りかわるので、動体視力も同時に兼ねそなえていなければ拾えぬ情報。
それこそ録画して、一時停止して目を凝らさねば読むことなど不可能!



しかし、あれはほぼ有益な情報ではなく、あくまでも注意書き。
いちいち確認していたら時間がもったいないので(だから特に予定ないけど!)さらさらと流し見してみます。
よく見かけるなーと思ったのは、


※実際の○○とは異なります。
※CM上の演出です。
※イメージです。


といった文面でしょうか。
もちろん中には、
※初回登録時に限ります。
※未成年の方は保護者承諾が必要です。
とか、本当に必要な情報もあるけど(それこそそんな小さくていいんかいという当然のツッコみはさておき)、ほとんどが「いや、それくらいはわかってますよ……」というレベルのもの。


改めて、いるんだろうなあ。
それくらいわかってますよ的な表現に目くじらを立てる方々が。
本気でわかってないのか(表現にも問題ありなのかもしれない)、本気でただのクレーマーなのかは謎ですが、本気じゃないのにとりあえず指摘しとこう派が多い気がします。


で、鶏が先か卵が先かはこれまた謎ですが、そういう派閥の方々に対抗すべく、これ見よがしにちーっちゃい文字で先手を打っておこうという作り手側の異様な防衛意識も垣間見えます。
まさにいたちごっこ。
いや、本当に今さら感ある話なのですが、CMを飛ばす習慣が身につくとそういうことさえスルーして生きているんだなあと再確認。


そう思うとスルーしといたほうが精神衛生上は楽やもですが、にしても一度目につくと本当に多い多い。
テレビの画面には注意書きが常にびっしりです。
CMの比じゃないですが本編でもありますよね。
※撮影のため、特別に○○しています。
とか。



わたしは底意地が悪いので、注意書きを見て「ほほう、こういうところに揚げ足を取る要素があるのか」「ここまでありえない状況にしても演出と表記せねばいかんのか! いったいどこまでとんでもワールドにすれば表記なしにできるのか……」という穿った見方をしてしまいます。
でも、そのほうがクレーマーになるより面白いです。
自己完結型ですし。



逆に注意書きが一切ないCMって、恐ろしく無味乾燥なのかもしれないなあ。
当たり障りなく、とにかく万人受けを目指して……

と、想像していたら、いきなり注意書き一切なしのCMに出会いました。


某企業のタイヤのCMでした。
ひたすら声高にセールを叫び、品質を叫ぶというTHE王道なもの。
注意書きをする必要がないくらい、シンプルな内容ということでしょうか(たいがい複雑な料金プランとか、他社抱きあわせ企画だと、注意書きの分量は一気に増えます)。

己の武器のみで、真っ直ぐに突き進む。
それこそが注意書きなんぞ不要なスタイルなのやもしれない。
まあ、地方のCMだったので、単に怖いもの知らずという可能性も拭えませんが、少なくともわたしが観るかぎりはクレームを入れるような隙はなかったと思います。


注意書きだらけの世の中。
注意書きなしの表現方法を見出していけたら良いですねえ。



※この文章は個人の見解です。あしからず。
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