第5回 超絶ご都合主義働き方改革

文字数 1,875文字

働きたくない。

世の大半がそういう思考で回っていると信じていたのですが、どうも違うらしいと気づいたのはここ数年のこと。
よくよく考えを重ねてみれば、本当にそういう思考の持ち主が大半ならば、もうとっくに経済は破綻。皆、パリピか引きこもりになっているじゃない!(極端)

そういえばなんか私とは合わないなー世界が違うなーみたいな人々を観察してみると……いるんですね、本当に。
働きたい!
働くぜ!
と思っている人々が。
当たり前のことやもしれませんが、私にとっては絶滅危惧種を発見したかのような驚きでした。
ウナギかな? コウノトリかな? ツシマヤマネコかな?

いやいや、全然絶滅しそうになかった。
実はウサギくらいいるんじゃない? いや、ハトかな? カメムシかな?(すべては具体的数値に基づいたものでなく想像です)

いるんですね、本当に(2回目)。
もちろん、そういった人々がすべて同じ熱量で同じ方向を見ているとは限りません。
大きく分類すると三つ(私調べ)。

1.生活(家族・趣味など)のため、やむを得ず働いている人。
2.好きなことと仕事が一致した奇跡的な人(ある意味絶滅危惧種)。
3.本気で心底働くこと、働いている自分が好きな人。

周囲で一番多い、そしてきっと世間的にも一番多いと思われるのは1。
まあ、これはそうでしょう。
いい年齢なのに働きたくないと声高に叫ぶ私でさえ、1になることはあります。
というより、時折でも1にならなきゃ生きていけません。
別に大富豪に生まれたわけでもないし(生まれたかった!)。

2もいます。
華やかな世界でお見かけすることもありますし、実際身近にもいます。
これはすばらしいことです。絶滅危惧種です(私調べ)。

3は……まあ限りなく2に近いor2も兼ねているんですが、3を目撃したときの衝撃たるや。
どういう人生をたどればそういう思考回路になれるんだ、と驚愕しました。

さらに3に関しては先天的な人と後天的な人がいます(あえて断言)。
後天的な人は、もう、その……社会にやられたんですよ(あえて断言)。
辛いこと理不尽なこと、酸いも甘いも嚙みわけるどころか噛みくだいて、ここしかないのだと思ってしまうくらい全力投球フルスイング猛ダッシュで駆けぬけてきた人でしょう。
人間は基本的に柔軟で素直な生き物だから、最初の理不尽に耐えればそれを常識だと考えていける恐ろしい性分を持っています。これは大なり小なりきっと誰しもあるでしょう。

しかし先天的な人はねえ……いやあ、ええ? なんで? あれか、胎教か?(んなわけない)。
もう天性のものとしか言いようがない。
生粋の社畜……もといワーカーホリックな人もいるんですね。



とにもかくにも種類は違えど、働きたくないの一言で済ますことなどせずに、働くのだという意思を持って動いている人々がいるから世界は回っている。

しかし、一部の仕事を除いて「絶対休めない」などということはありえないと、常々私は思っております。
よく言うじゃないですか、日常でもテレビの中でも。
「明日は大事な会議があるから」
「今日は休むわけにはいかない」
「這ってでも行かなきゃだめだ」
みたいな。這って来られたら、ホラーっぽくて恐怖しか覚えないんですが。

ええ……絶対嘘じゃん、それ。
休めないわけない。
むしろおまえ休んでどうこうなるくらいなら、やべえよその会社。
もしくは誰か休んでも大丈夫な体制にしとけよ、不死身じゃねえんだから。
(何度も言いますが、一部の仕事を除いてね)

良くも悪くも、今回未曽有の事態が訪れ、だいぶ「絶対休めない」の呪縛が解かれたのかなと期待しているのですが、どうもそう簡単には価値観はひっくり返らない。
やっぱり「行かなきゃ」「もう休めない」になるんですね。
この染みついた感覚は本当にすごい。
すごいとしか言いようがない。



ならばですよ。
もうどうしようもない性分として、働く人々、主に3の思考で働く人がいるのなら。






私の分まで働いてください。






あれ?
現代の働き方について、なんか真面目に論じてたんじゃないの?
今の社会を憂いていたんじゃないの?





膨大且つ無駄な前振りで出した結論は、働きたくない人のために3の人が働いてくれたら、双方ウハウハになるのでは……いわゆるwinwinってやつになるのでは……





浅はかな期待でした。
書いてみただけでした。
ああ、こいつ屑だなって視線を感じる。
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