第3回 おされ三種の神器

文字数 1,778文字

おされ(おしゃれ)とは縁遠い人生を送っております……。

おされに興味がないわけでは決してない。むしろなれるものならなりたい。今すぐなりたい。
でも、おされな人ってなんだか根本的に人間が違う気がします。
「住む世界が違うんだよ」
というベタベタな台詞がマッチするくらい、住む世界とまでは言わずとも視野が違う気がします。

知識や経験値はもちろんのこと、吟味する時間(私は途中でもういいやってなる)、試着する手間(私は途中でもういいやってなる)、費やす金額(私は最初からこんなもんでってなる)に糸目をつけないのがおされな人の条件。

たま~に藤●大丸とかに行くと、もうおされなハイブランドばかりでくらくらする。
目の保養にはなるけれど、だんだん自虐思考に陥って場違いな気がしていたたまれなくなって、そそくさと退散することが多い。
おされな人は一日中そこにいても平気なのだ!(言いきったけど大いなる主観)
いい品と出会うために粘る粘る、たとえ最終的になにも購入せずとも気にしない、お眼鏡にかなうものがないのだから……そう、おされな人は一切の妥協を許さない!(とりあえず言いきるスタイル)

そういうこだわりがほぼほぼ皆無なもんで、いっそそれを手にいれるための努力も面倒くさがっているので、そりゃあおされには程遠い。
しかし、そんな性分を手に入れずとも、おされな人はある共通の三種の神器をポイントとして押さえていることに気がついてしまいました……!(驚愕の事実みたいに発表するスタイル)
発表します、上から(身につけるだいたいの位置ね)発表します。

「ベレー帽」
「スカーフ」
「ブローチ」

です!(完全に言いきる)
これらを身につけている人、もしくは一つでも日常的に身につけている人はもれなくおされ!
なぜなら私は一つも持っていないし身につけてもいないから……といった悲しい理由だけではなく、三つとも実用性がないでしょう。

ベレー帽は飛ばされやすいし、スカーフは防寒性ないし、ブローチなんておされ以外の用途があるのか? 実はほつれや穴を隠してるとか? 否、無理がある。やはりどれも実用性とは対極にある。

そういう実用性を排除した、無駄なものを身につけることこそがおされなのだ!(意外と自信あり)

今だってそうでしょう(唐突)。
不要不要と言われているものこそ、実は生活に潤いを与え、心を満たし、喜びに変わるものではないですか? 胸に手を当てて問うてみてください(宗教ではない)。
おされも同じです。
不要だと思われるものこそ、輝きを放つのです。
考えてみてください。
実用性にあふれた腹巻きや、股引きや、果てはヒー●テック、エア●ズムなどはおされですか?
無論、おされに近づけようと努力した逸品もあるでしょう。
しかし、基本は実用性重視でしょう。
三種の神器のような余白、余裕の要素はありますか?
実用性にあふれた品々は、必要性緊急性に駆られて購入する機会が多いのではないですか?
今で言うところの至急必要というやつです(違)。
おされとは不要不急なのです。
だからこそ、おされなのです。

まるで教会にいるような気持ちで説きましたが、つまりおされの近道は三種の神器を取りいれることにありです。
性分を根っこから変えるのはしんどくても、三種の神器のどれかを取りいれればあなたは必ずおされに一歩近づくでしょう(保証はしないけど)。



ちなみに本当におされに興味なくて、三種の神器とか考えるはずもなくて、みたいな人がおされ空気をまとっている場合もままある。
あれはもう、それこそ天性のオーラなのだろう。
ノームコアという概念が本気で成り立つ人種なのだろう。
(※ノームコアとは至って普通の服装を、なんか雰囲気ありげに着る手法です←雑)
ノームコアって素敵なひびきにあぐらをかいていたら、ただの平々凡々なちょいダサ人間として認定されるから!

あれだ、ジェームスディーンとか尾崎豊とかジョブズとかレベルだと、無地Tシャツとジーンズでもおされになるんだよなあ。
ああいう人たちはおされとか以前に大物なので、これはわれわれ(さりげなく周囲を巻きこむスタイル)には関係ない。

やはり三種の神器を取りいれるべきです。
ちなみに私はまだ購入予定すらありません。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み