第4回 言葉の魔力、ここに極まれり。

文字数 1,659文字

言葉って恐ろしいですねえ。
使い方ひとつでナイフにもなるし銃にもなるしハンマーにもなるしドリルにもなるし……

いや、全部凶器じゃねえか!とツッコまれそうですが、ほぼほぼ凶器だと思ってます。
凶器であり狂気(上手くない)。
無論、励ましやいたわりになることもあるでしょう。でも、それはほんの一握り。
役に立つこともあるんだな、そんなときもあるんだな。
そのくらいの認識でいたほうが妥当な気がする。

これは間違いないぜ!って鼻息荒くした言葉は、ほぼ誰かを傷つけることは間違いないぜ!



本当に取り扱い注意な凶器をわれわれは持ちあわせているわけですが、私は最近、先人たちの言葉に振りまわされております。




そう、ことわざにね……。




あれ、なんか真面目な話になるのでは?と一瞬でも勘違いしてくれた方がいたら申し訳ない。
でも、私としては真剣です。白刃取りしてほしいです。

ことわざって大昔からあって、今も当然のように生きのこっていて、なぜだかいつの間にか浸透しているという恐ろしいものじゃないですか!
ことわざに限りません。言い伝えとか、謎の風習、四字熟語、云々。
しかも取りたててなんの根拠もないのに、そう思いこまされてるという……そう、歴史ある洗脳ですよ!(褒めてない)


私が最近脅かされているのは、
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」
ってやつ。
意味不明だけど、知っている人多いはず(その浸透率が心底恐ろしい)。



夜!お風呂上がりに!切ったほうが!
爪やわらかいじゃない!!!




これは実体験に基づいた意見なのに、どうして無根拠な言い伝えのほうにおびえなくてはならないのか。
ふと「あ、もしかしたらヤバいのかしら」と一瞬でも頭をよぎったらもう負け。
「やっぱり朝切ろうかな」とおじけづいたらもう負け。

一応調べてみたら、なにやら諸説ありまくり。
戦国時代の言葉がどうとか、日本書紀がどうとか。
こじつけ感も満載なのに、なんか歴史の教科書に出てきそうな単語を言われると、つい納得しちゃいそうになる現象なんなんでしょう(私が洗脳されやすいだけか)。


このままじゃ、朝カッチカチの爪を切ることになってしまう。
なもんで、ネガティブ要素満載のことわざや言い伝えは自分流にアレンジしてしまえばいいのだ……!と決意しました(これも一種の洗脳)。


「夜に爪を切ると、アラーム鳴るまえに起きられる」


うむ、これくらいがいいですね(一人得心)。
だいたい後世に残るやもしれんって可能性を考えるなら、呪いのような言葉じゃなくて、ちょっと前向きな言葉残しておいてほしいですよねー(←現代で言うクレーマー)。


「若いときの苦労は買ってでもしろ」
→「若いとき苦労買っちゃったら返品交換OK」

「足元を見る」
→「足元のおしゃれチェック」

「焼け石に水」
→「焼け石に水かけたときの音気持ちいい」

「泣きっ面に蜂」
→「泣いたら誰か蜂蜜くれる」

「病は気から」
→「病は気からっていうけど弱気になっても医療発達してるし大丈夫」

「笑う門には福来る」
→「笑わない男とか言われてた人だって福来てるでしょ大丈夫」


ふう、こんなもんですかね(なにが)。
もはやわりと前向きなことわざにもイチャモンつけてますが、とにかく自分流に都合よくアレンジしていかないと、昔からの凶器にやられることがあるのです。

でもきっとこういうしょうもなさにも腹を立てたり、心痛めたりする人もいるのでしょう。
本当に人間はバランスがいい。
絶対、どんなニッチなポイントにもはまる人は必ずいるから。

つくづく万人受けなんて言葉はないんだな。
誰か傷つけることにはもちろん、自分を傷つけないようにすることも肝要ですね。
今回はそんな自衛の話。


ああ、でも私、数字も怖いんだよなあ。
数字が年齢に見えて仕方がないとか、めっちゃある。
数字こそ残酷。数字を都合よくアレンジする方法も考えねばなるまい。
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