第11回 ニコラスケイジ現象

文字数 1,304文字

齢を重ねると、記憶力が衰退してきます。
記憶力というか、記憶を思いだす力が衰退しているんだと思います。


「えっと、なんだっけ、ほらあれよあれ。もう、ここまで、本当にここまで出かかってるんだけど……ぐああっ出てこない!!」


みたいなこと、よくありませんか?
つまり覚えてはいる。が、その記憶の引きだしを開けて、取りだしてみせる力が衰えている。
悲しいかな、これは避けられぬ道。
スマホがなければ永遠に迷宮入りの案件ばかり。


ただ、不思議なのが、ある特定の言葉だけ、いついかなるときも思いだせないってことがよくあります。
普通は1回「思いだせない!」件を経験したら、当分それは覚えているものではないですか。
でも何回繰りかえしても少し間が空けば、また「思いだせない!」となる。
「思いだせない!」件を経たことはさすがに覚えてるんです。
なのに、本気でその言葉だけどうしても思いだせない!



わたしにとって、その特定の言葉ぶっちぎりナンバーワンは、
「ニコラスケイジ」
です。

ハリウッドスターのニコラスケイジ。
知名度も抜群、顔も特徴的、名前も割とインパクトある。
にもかかわらず、いつも彼のことを思いだせない!
これはなんなんでしょう。
このニコラスケイジ現象は、もう20年は続いていると思います。


で、いっつも「思いだせない!」となるから、スマホにSOSを求めるのですが、わたしは彼の作品を一つも観たことがない。
いっそなにに出ているのかも知らない。
だから、検索のヒントがまるでない。
顔がぼんやりと浮かぶだけで、言葉にできない(小田和正)。


そんなとき、わたしはいつもこう検索します。
「ハリウッドスター」
「ビストロSMAP」
「手で隠す」
とな。

わたしの中のニコラスケイジは、スマスマ(この略称まだ通じるのかしらん)の中のコーナー、ビストロSMAPにゲストとして登場した人。
動いている彼を観たのは、ただその一度きり。
そしてニコラスケイジのお料理の食べ方が衝撃すぎて忘れられなかったのです。
彼は食べているところを人に見られたくないらしく(じゃあなぜ出演したのか)、もんのすごい器用に手やジャケットで食べているところをひた隠ししておりました。


すげい食べ方。


なもんで、検索キーワードがそんなとんちんかんなことになるのですが、Googleは本当に優秀。
それでちゃんと「ニコラスケイジ」と判明します。あっぱれ。


で、そうそうニコラスケイジとなっても、また「思いだせない!」ってなるの、これどういう現象なんでしょう。
「思いだせない!」からの謎検索までを、いったい何度経験したか。
それでもわたしの脳にはニコラスケイジが刻まれない。
それでもわたしは結局ニコラスケイジの作品を観ていない。



Wikipediaを確認すると、映画だけで膨大な出演作。
うう、選択肢がありすぎると尻込みしてしまう悪い癖が……



あ!
でもニコラスケイジの誕生日が自分と近い!(マジどうでもいい)
こういう共通点(じゃない)を見つけると、案外忘れなくなるやも。



てか、ここにこんだけ書けばもう忘れない気がします。
そうか、記憶だけじゃなくて記録ってやっぱり大事ですね。




今はこの現象に新たに、
「ペタンク」
が仲間入りです。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み