第8回 始まりと終わりは似ている

文字数 1,615文字

こんな混沌とした世の中でも、日々新しい命は生まれております。
『ten』でやっているコーナー『めばえ』で、毎日赤ちゃんが紹介されてますね。
おお、今日も未来が生まれた。
どんな状況でも未来は生まれるのだ!
と柄にもなく思ったりすることもあります。こんなご時世ですからねえ……

あ、『ten』ってなんぞやと思われる方もいるやもしれない。
読売テレビで放送してる夕方の情報番組です。『めばえ』はその中の1コーナー。その日、生まれた新生児を取りあげるのです。
ナチュラルに関西在住者しかわからないネタを振るって、私も焼きが回ったぜ……
もう『せやねん』を観て、ああ『王様のブランチ』を関西で観ることは叶わないのだ……と絶望(失礼)した日は遠い昔。



なんの話だ。
そう赤ちゃんの話。



赤ちゃんって、見た目で性別どっちだかわからなくないですか?(唐突)



『めばえ』観てて、いっつも思います。
男の子? 女の子? 名前見て判断みたいな(最近の名前は斬新だから判断不可能な場合も多し)。

まあねえ、ぶっちゃけ顔みんな同じだし(小声)。
待ってください怒らないでください。
そりゃあ産んだご本人さまやご家族の方なら判別つくでしょうけど、隣のお子さんの性別わかります?
あなたのお子さんがかわいいのはわかりました。そういうことではなくて向かいのお子さんの性別わかります?(必死)




つまり新しい命はまっさらな状態なわけよ!

もう男とか女とか性別の垣根を越えて、純粋に新しい命なわけよ!






待ってください宗教じゃないです(必死)。




で、赤ちゃんのみならず、ご高齢の方……シルバー世代の方も性別不明なことありませんか。
もう見た目ではおじいちゃんなのかおばあちゃんなのかわからない。
見た目どころか声とかもあいまい。
銭湯で裸の付き合いをして、初めて「あ、おばあちゃん……」とわかるレベル。



待ってください怒らないでください(しつこい)。
そりゃああなたのご両親及び祖父母ならいざ知らずですが、近所をたまたま徘徊しているシルバーな方の性別わかります?
あなたのご家族が偉大なのはわかりました。そういうことではなくてバスで乗りあわせたシルバーな方の性別わかります?(とにかく必死)




つまり人生も終盤に差しかかると(終盤? ふざけんじゃねえとお怒りの方よ、終盤が50年続くこともあるんだと叫びたまえ)まっさらな状態になるわけよ!

もう男とか女とか性別の垣根を越えて、純粋な無の境地に至るわけよ!





待ってくださいセミナー勧誘じゃないです(セミナーの内容はいつも謎)。





だから、始まりと終わりは似ている。
そして「男だから~」「女のくせに~」みたいな未だはびこる差別偏見は、結局なーんの意味も持たずに終わっていくんですね。
新生児に「男のくせに泣くな」とか、シルバー世代に「女のくせにしゃしゃり出るな」とか言ったって無駄無駄無駄ァ!
言ったほうが阿呆でしょう。ていうか、お疲れ気味なのでしょう。


性別は多様化している。というより、もともとあんまり意味をなさないものなのかもしれない。
だって、始まりも終わりも、あんまり意味をなしてないもの。


とか、思ったりするのです。
そういうふうに考えていけば、多分性別だけじゃなくて、国籍とか社会的地位だとか年齢だとかもこだわらずに済むかもしれない。


なんか、きれいごと風味で着地しそうですが、とにかく安易に新生児とシルバー世代の性別を決めつけないことが肝要です。

「ボク、かわいいね~」
「女の子なんです~ほほほ」

「おばあちゃん、大丈夫?」
「あ、ヤマダさんは男性です~」

って感じになっちゃうからね。
まあ、本人が気にしてない場合が多いですけどね。
とにかく私には判別がつかんのだ!
怒るならば先に教えておくれ!
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