第3話:地元に戻りヤフー株での成功、中越地震

文字数 2,018文字

 2003年度の大学卒業者数とその中で就職を希望する比率は、93%と全員が、就職できる状況になかった。さらに実際の就職率「就職決定者/卒業生のうち就職希望者」は、65%と2000年の62.7%から、あまり改善していなかった。その状況から自分の希望する企業へ就職できないなら家庭教師でもやろうと徳久は、家庭教師の先を探した。滝井も希望する企業から新卒大学生の募集がなく三崎に帰って漁師の手伝いをした。

 その他、投資と夜は、家庭教師を続けようと考えた。一方、山井久義は、実家の貿易商の仕事を手伝う事を決めた。2003年1~3月期まで低成長が続いたが、その後は、アメリカは、テロ組織・アルカイダをかくまったイラク空爆などの攻撃で不透明感が後退し、株価は反転、企業の設備投資にも復調の動きが出始めた。また家計部門では、景気の低迷や企業のリストラで所得環境は、厳しかった。

 しかし、低利の住宅ローンへの借り替えや借り入れ枠の増額などにより手元のキャッシュを確保する動き「住宅ローンのリファイナンスという」が、続き個人消費の失速を防ぐ一因となった。2003年半ば以降は、株価上昇や特別減税などの追い風も加わり、7~9月期の実質個人消費は、前期比年率6.4%という極めて高い伸びとなった。海外景気の回復は、日本経済にとっても追い風となる。

 これまでも外需と輸出関連業種などの設備投資はわが国のGDPを支える大事な柱だったが、こうした構図は今後も大きく変わらない。実質輸出「GDPベース」は、2002年度の前年比12%増に続いて2003年度は8%、2004年度も8.8%と高い伸びを維持した。国内需要が総じて力強さを欠くなかで、純輸出「輸出―輸入」によるプラス寄与「2004年度実質成長率2.3%のうち0.6%程度」は決して小さくない。

 また、設備投資が、2003年度に9.3%という高い伸びになると見込まれるのも輸出環境の好転と業績改善を背景としたIT関連や自動車、一般機械などに負うところが大きく外需の間接的効果と見る事ができる。2003年度も輸出は景気の下支え役を果たすだろう。企業の生産活動や業績も輸出関連を中心に比較的堅調な推移が見込まれる。しかし内需は、今後も回復力に乏しい。

 設備投資は、先行指標である機械受注や企業の設備投資計画の動きなどからみて2004年度も増加基調が続くだろう。大企業、製造業だけでなく中小企業や非製造業の中にも、これまで手控えていた更新投資や新規投資に踏み出す動きが広がる気配がある。ただし企業経営者にとって中長期的にみた日本経済への成長期待が大きく低下している中で設備過剰感は依然根強く残っている事、生産拠点を国内から中国などにシフトする動きも続いている事から設備の拡大余地は限られる。

 こうして2004年が明けた。4月6日、早朝、証券会社の担当者からヤフー株の気配値が、140万円と高いので売りと言われ成り行き売りを出しと9時過ぎに全株売れた。その間、ヤフー株は5回の株式の2倍分割をしていたので、1株が、32株に増えており、税引き後利益が3534万円で、残金が、3552万円となった。この頃、証券会社の担当から、最近は、混沌とした時期なので、着実に利益の取れる日本最大のリート「不動産投資信託」が良いと助言された。

 そして日本ビルファンファンド・投資法人の資料をもらい投資する事を決めた。そして2004年5月18日早朝、証券会社の担当者から3人に日本ビルファンファンドの気配値が、75万5千円で安いと言われた。そこで徳久たち3人は、30株、成り行き買い注文を出すと直ぐ2265万円で買え残金が1287万円となった。2004年10月23日17時56分、新潟県中越を震源として発生したマグニチュード6.8、震源の深さ13キロの直下型の中越地震が、起きた。

 震源直上の川口町では最大震度7を観測した。また、マグニチュード6を越える規模の大きな余震が、複数回、発生するなど、余震回数が、多く群発地震的様相を呈したことも特徴のひとつである。本震の震源の深さが地下13キロで、余震も地下20キロ以下で発生し、大きな有感地震が続いた。新潟県内では、本震発生後2時間の間に震度6の地震が三回も発生した。地震発生日に合計164回の有感地震が、起こった。翌24日も合計110回の有感地震を観測した。

 その後も余震が続き10月31日までの間に計600回、11月30日までの間に、合計825回の有感地震を計測した。言葉で述べるのは簡単だが、実際にこんな地震を経験したら、たまったものではない。生きた心地がしないと思われる。強い揺れに見舞われた小千谷市、十日町市、長岡市、見附市を中心に、全体で、68名が死亡した。この内、建物の倒壊などによる直接的な死者は、16人。その他の52人は、避難中のストレスやエコノミークラス症候群であった。
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