閑談 次回なに読む?
文字数 1,915文字
お疲れさまでした。『蟹の横歩き』について、まだ疑問がある方、話し足りない方はいませんね?
それでは、次回についてです。
はい、次回の課題本候補はこちらです。皆さんからご推薦いただいた本と、最近話題の本をまとめました。
サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』ルイス・セプルベダ『ラブ・ストーリーを読む老人』
トーマス・マン『トーニオ・クルーガー』『マーリオと魔術師』
ヘルマン・ヘッセ『デミアン』
市川沙央『ハンチバック』
タラ・ウェストーバー『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』
『ハンチバック』は、今年7月に芥川賞を受賞した話題作ですね。作者の市川沙央さんについて、NHKの「バリバラ」という番組で見ましたよ。
『ハンチバック』は、物語の主人公と同じ身体障碍の当事者である作者さんが書いたそうで、読者からの評価がすごく高いんです。ぜひ、皆さんと一緒に読んでみたいです!
『ラブ・ストーリーを読む老人』って、なんだか面白そうなタイトルですね!エクアドルの密林に暮らし、恋愛小説を読むことが生きがいのご老人とは……?
作者のルイス・セプルベダさんは、残念ながら、2020年に新型コロナウィルス感染のため亡くなったんですよ……
そうなんです。それで追悼の意味もこめて、次回の課題本候補に入れました。
トーマス・マンとヘルマン・ヘッセは、どちらもノーベル文学賞作家ですね!
トーマス・マンもヘッセもドイツ文学でしょ。
今回のギュンター・グラスがドイツ文学だから、ドイツドイツと続くのはあきるわ……
ヘッセは『車輪の下』は読んだことありますけど、『デミアン』は未読なので、次回でなくても、いずれ読みたいですね。
『エデュケーション』というのは、どういう内容かな?
『エデュケーション』は、なんと全米400万部超のベストセラーなんですよ!
作者のタラ・ウェーバーさんは1986年生まれなんですけど、両親の宗教上の理由により学校にも通わせてもらえないという、教育ネグレクトを受けて育った女性です。
家族という「小さな牢獄」に幽閉されて育った彼女が、そこから脱出して、大学教育を受けるまでのノンフィクションですね。
『エデュケーション』は、『週刊文春』の「今週の必読」で高橋源一郎さんが「いまこそ読むべき本だ」と絶賛していましたね。朝日新聞や読売新聞の書評欄でもおすすめされていました。
『真夜中の子供たち』は1981年にブッカー賞を受賞した作品なのですが、1993年のブッカー賞25周年を祝う際と、2003年のブッカー賞40周年を祝う際に、歴代ブッカー賞のなかのブッカー賞として、最も多くの票を集めた作品として表彰されたのです。
40周年記念の一般投票で「ベスト・オブ・ブッカー」に選ばれるって、歴代でいちばん面白いってことですか!?
実は、『文庫で読む100年の文学』(沼野充義・松永美穂・阿部公彦、中央公論社)の中で『真夜中の子供たち』が「歴代のブッカー賞の中でも最高傑作」と紹介されていたので、読んでみたいと思いました。
作者のサルマン・ラシュディさんは、イギリス領インドだった頃のボンベイに生まれた作家です。1988年に発表した『悪魔の詩』によって、イランの最高指導者(当時)だったルホラ・ホメイニ師から死刑宣告を受けて、ラシュディさんは何度も暗殺未遂に遭い、現在では片目を失明し、片足が不自由になっています……
痛ましいことに、日本でも『悪魔の詩』の翻訳者が殺される事件が起こりましたね。今でも未解決事件となっています。
そう言えば、インドが舞台の物語は久しぶりですよね。
前に読んだのは、クリシャン・チャンダルの『ペシャーワル急行』でしたね。あれも、何と言うか、すさまじい物語でした……
『真夜中の子供たち』も、『ペシャーワル急行』と時代が重なる部分がありますね。
岩波文庫で上巻544頁、下巻560頁もあるわよ。次回までに読みきれるかしら……
いやいや、次回は2か月以上空くので時間があります。たまには長編を読みましょう。
だいたい意見が出そろいましたし、皆さん、次回は『真夜中の子供たち』がいいですかね?
皆さんが決めた本を読みますので、なんでも良いですよ。
では、次回は『真夜中の子供たち』ということで、よろしくお願いします。
今日はありがとうございます。
次回、不参加だったら、読み終わらなかったと思ってください……
お疲れさまでした、またお会いしましょう。皆さん、お元気で!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)