(二)-10

文字数 236文字

 翌日、セミの声はまだ聞かれないものの、じりじりと焼けるような日差しの中、雨晴真佐貴は上司である国分直剛とその部下、つまり真佐貴の同期の中川道則とともに、本社工場の近くにある尾襖伊波比神社に来ていた。
 ここはそう大きくない神社とはいえ、奈良の平城京に都が作られた頃に建立されたとされる由緒正しい神社だった。一応神主も常駐していて、この地域の守り神として昔から慣れ親しまれている神社だった。
 そして今、三人は上司の国分を真ん中にして拝殿の賽銭箱の真ん前に立っていた。

(続く)
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