(二)-12

文字数 211文字

 ちょうどテルテル坊主をくくりつけたとき、すぐそばにあった工場の出入り口から数名の従業員たちが出てきた。
 その彼らは、同じ会社だがあまり顔なじみではない俺の方をジロジロ見ながら、歩いて行ってしまった。
 その最後の一人が立ち止まった。真佐貴が見ると、生産部の伏木寿亀(としき)先輩だった。仕事ではほとんど顔を合わさないが、新商品の発表や商品の改良などがあると、生産部門でも若手の先輩が製品の特徴を色々と教えてくれた。

(続く)
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