(二)-14
文字数 207文字
そうして先輩は、バッターボックスに立った野球選手のようにバットを構えると、ストライクゾーンよりもやや高めの位置にある、逆さまに吊されたテルテル坊主めがけて金属バットを力一杯振った。そのスイングは、素人のものとは思えなかった。きっと昔野球をしていたのだろう。
パスッと気の抜けた音とともに、テルテル坊主は空中に跳ね上げられたが、ヒモに引っ張られて弧を描いてもとの位置の方に戻ってきて、何度か上下に振動した。
(続く)
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