(二)-15

文字数 347文字

 帰り道、妻の雨晴花梨に頼まれていた買い物のため、イセアというスーパーマーケットに寄り、それから帰宅した。
 帰宅すると、身重の花梨が待っていた。昨日は真佐貴が夕食当番であったはずなのに、テルテル坊主を殴るという、仕事としては重要なのかどうか不明なことをしていたために帰宅が遅くなってしまった。その罰としてこの日、真佐貴が夕食を作ることになっていたのだ。
 今日は早く帰って来れたおかげで、無事に花梨の機嫌も損ねることなく、二人で夕食をとることができた。
 花梨のおなかの中の子どもはずいぶん大きくなっている。しかしまだ生まれてくる気配はないらしい。それはそれで少し心配だったが、今のところ、母子ともに健康そのものだった。
 そのため、真佐貴にとっての悩みは、雨が降ってくれることだけであった。

(続く)
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