(二)-9

文字数 245文字

「うんうん。そうですか。でもまあ、雨が降らないと、うちの製品の強みが全く発揮されないからねえ」
 島尾志摩夫(しまお)社長はそう言うと、事務所を出て行った。
「バカヤロウ! あんなこと社長に言うヤツがあるか!」
 真佐貴は上司の国分にそう言われて慌てて「すみません!」と頭を下げた。
「すみません、じゃねえ! こうなったら雨晴、お前が雨を降らせてこい」
「何言ってるんですか。無茶言わないで下さいよ」
「お前の名前だって『あまはらし』じゃねえか。晴れるのができるなら、雨降らすのもできんだろう」

(続く)
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