第28話 競馬場で、帰れま10!

文字数 1,798文字

 香港はイギリス領だった事もあり、競馬場がある。
ナイトレースが中心の、跑馬地(ハッピーヴァレー)
国際レースが行われる、沙田(シャーディン)
ハッピーヴァレーはね、昔からあって、ジャッキーがならずものと闘いそうな感じ。
沙田は、日本の中央競馬会(JRA)の競馬場みたい。スパーッと広くて気持ちいい芝のコース。
ありゃ〜?ココ、新潟競馬場??と思っちゃうくらい。
昔、沙田なんつうたら、田んぼが果てしなく広がってて、ウー!マンボ!!っていうおじさんよりでっかい黒い帽子かぶったばあちゃんが農村で草刈りとかしてたの。
なんとなく見てると、千円払え!とか言われて。
ばあちゃん!千円は高いよ!とガイドさんに言われて、じゃあ100円でいい!
持ってたチェルシーあげて一緒に食べて、お礼にタバコ勧められたりして、いや、アタシ、中学生だから、と言うと、え?ダメなの?みたいな。
まだまだ、時代劇の世界みたいだった。
今は、でっかい駅と、団地だらけ。

 今回は、もう競馬のツアーに参加しちゃおうと。
各国からのツアー客、大抵は競馬ファンの旦那様、ついてきただけの奥様。という構図。
欧米では競馬は社交の場だから、華やかな格好して、鮮やかなウミウシやイソギンチャクみたいな帽子を被った欧米マダム多数。
旦那様が大盛り上がりなのに比べ、奥様は、あー、こんなことしてんなら、街ん中で買い物したい。アフタヌーンティーしたい、飲茶食いたい。エステかマッサージ行きたい。
というのが見え見え。
しかし、そんな奥様の不満を逸らし、欲望を叶える、それが香港ジョッキークラブ!!
「皆さーん、ランチタイムブッフェでーす!」
飽きまくった女性がばっと群がる。
品数も多く、おいしい。
飲茶もあるー。うまー、とムシャムシャ食べていたら、アメリカから来たマダムに声をかけられる。
「アナタ、日本から来たの?そのドレス、ラブリーね。どこのブランド?」
「奥さんもかっこいいよ、その帽子。ハリウッド女優みたい。この服は、しまむら。1450円」
「えぇえ?!チョット、このムスメの服、1450円だって!!」
「えぇ?!1450円!?紙なんじゃないの?!ねぇ、来て!」
ヤメテ。大きい声で言わないで。友達を、呼ぶな・・・!
騒ぎを聞きつけ、ツアーガイドのおばちゃんまでやって来る。
「なんて安物着てんの、アンタ!バッグは?!」
「Honeysで1980円」
「1980円!?」
「このサンダルは?」
「待って!言わないで!私が当てる!!3000円!」
「じゃあ、私は、2000円!」
「えー、でもこれヒールだし、私も3000円!」
帰れま10か!?
「うぇーん!サンダルはGUで安くなって1200円!パンツはユニクロでよりどり3枚1000円じゃい!!」
「3枚1000円!?アタシ、次、日本行くわ!」
「私も。でも私のサイズある?」
「しまむら、でっかいサイズある」
「最高じゃないの!あと、何オススメ?」
「しまむら?コタツ布団!」
皆さん、日本のアパレルに興味を持った様子。
あっちの方で、旦那様、いきなり叫ぶ。
「ぎゃー!!パイの中身がほうれん草だった!!」
「うるさい!!食べなきゃいいでしょ!ウチのダンナ、ほうれん草食べれないのよ」
「アメリカ人って皆ほうれん草食べるんだと思ってた。ポパイ、食べると元気になるじゃない?」
「アンタ、ポパイなんて、ふっる!!」
大笑いされる。
日本の、のらくろみたいなイメージ??
そして、奥様がまた飽きた頃、すかさず。
「皆様、お待たせしました!アフタヌーンティー ブッフェです!」
今度は旦那様もダッシュして、各国の客が多いに飲み食い。
とすると当然、トイレに行きたくなる。
うぅ、、お茶飲みすぎた。冷房で冷えるー。あ、すいません。次入ります!
と激混みのトイレになんとか入れたんだけど、
欧米の方々、肉食中心だからかしら。
失礼なんだけどもね、あのう、トイレが、ものすごい臭くてね。
え??皆、体調悪いの?大丈夫・・・?
日本に、こんな存在感のある臭いの公衆トイレだってなかなかなかろう。
これが世界の壁か!?と、もはや感心していると、お掃除係のおばちゃんが訳知り顔でサンポールみたいなボトル渡してくれて。
何、、何??洗剤??ああ、これ便器に、ビャッととしてから、入れと。あ、どうもー。
海外にも音姫とか、トイレその後にとか、あるといいのにね。
 飛行機のトイレの後、次の人の事が気になったら、ハンドソープを少し便器に垂らして、一回水を流すといいそうです。

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