第29話 四千年の知恵で健康と美を手に入れろ!

文字数 1,057文字

 香港、これだけ空気悪くて、騒々しくて、せわしなく、糖分高め、プリン体高め、タンパク質摂取は低めの食生活してて、なんで皆、こんなに元気なの?
実際、平均寿命が男女共に世界一。
「秘訣は、お茶だよ、お茶」と言われたけど、こちとら特茶も胡麻麦茶も飲んどる。
とすると、やっぱりアレ?
街角のあちこちにある漢方屋さん?
中国四千年の知恵に頼ろう!
いざ、友人と行ってみる事に。
生薬の独特の匂いと、箪笥みたいな匂い。
「お、日本人か。カレシに精力剤か?」
「違う!!」
彼氏に精力剤でも、父ちゃんにハゲの薬でもない。あれらは治らない病気。
しかし。行く先々で言われるんだけど、なぜこんなに日本人は世界中でスケベだと思われてるんでしょうね。
昔は風俗産業、今は変態コンテンツの国だと思われてる。
「体調を良くしたくて来てみました」
「あ、そう?なんでも言いなさい。なんだ、カレシのチン○ン、元気なのか?」
(お互いカタコトの英語なのに、シモネタだけは日本語が滑らかにに出てくる薬剤師。精力剤を沢山日本人に売ったと自慢される)
「いや、別に元気ではないけど・・・そうじゃなくて!私は健康になりたい!」
「私は美人になりたい!あと痔を治したい!そんな薬ありますか?」
「オッケー、健康と、美人と、痔ね」
え、あるの?
ヤッターと小躍り。
でも。痔はいいとして、〝健康〟より〝美人〟て結構曖昧な定義ですよね。
美肌、とか?顔色いい、とか??
おじさん、でっかい紙の上に、あれこれ漢方材料を乗せていく。生薬だから、見た目は枯れ草、根っこ、なんかの実。
えー、これで本当に美人になんのぉ??
「おっちゃん!痔もね!痔!アタイ、爆発しそうな時あるの!」
「オッケー」
全部混ぜて7日分にけて、くるくるっと包んで、まとめて紐でくくって、ポン。
アラ、ちょっと、トトロのお土産風?カワイくない??
「じゃ、次、お前。症状を言え」
「エート、まず冷え性と、貧血と、生理痛と蕁麻疹と、肩こり、眼精疲労、アレルギーとー・・・私も美人にもなりたい!」
言う度に、みるみる紙の上に生薬が増えて行き落ち葉掃除したみたいになって行く。
こ、これ本当に7日分??分けたのを紙に包んで、ガムテープでぐるぐる。
ちょっとしたセメント袋くらいある。
そして、漢方の、す、すごい匂い。
で、毎日これを煮出して飲めと。
オッケーオッケー!
・・・無理でした。
私が未だ健康にも美人にもなっていないのは、2回でやめたからだろうと思います。
友人は頑張って半分飲んだので、半分美人になったそうです。
痔は帰国後爆発し、肛門科に通院して完治しました。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み