2☆ミ
文字数 2,191文字
そのまま、自室のど真ん中に大きく書き出してある時空転移の術式の魔法陣の上に乗った。
靴を履き、ニックは音もなく術を発動させる。
やがて光の粒となった彼は、目的地へと瞬時に飛び立った。
目を凝らすと、三寸ばかりなる人影があっちへゆらり、こっちへゆらり、と落ち着きなく揺れている。
ニックは眉を顰め、足元にウィスキーボンボンを置いた。
すると、小さな影が瞬時にニックの前に飛び出してきた。
それはとても小さな、一寸ばかりの大きさの少年の姿をした魔族であった。
ニックはゆるゆると彼の後をついていく。
不思議な魔族だ、と思う。
異世界の情報を巧みに操る不思議な小人。
異世界跳躍と呼ばれるボケテクニックは、龍持ちでないと行う事が出来ない。
そんな事を考えていると、やがて岩肌に隠れるように存在する大変な豪邸に辿り着いた。
やがて、見事なシャンデリアが輝く大広間に辿り着いた。
魔法剣の準備をこっそり行いながら、イシュタルと呼ばれた女性をそっと見る。
彼女は紫の髪を静かに揺らし、ニックを見つめている。
鋼のの話は、本来真理の扉に何かを持っていかれる事はありません。
足りない部分の近似部分の防御が低過ぎるので、失うだけです。
エドの場合は左足を持っていかれましたが、左脳が弱いせいです。
彼はヒトとして甘過ぎるんですよ。