3☆ミ
文字数 2,367文字
ひとしきり話し合ったところで、キリが無いとしてニックは本題に入ることにした。
時計の針は22時を指している。
魔の谷に足を踏み入れたのが17時だ。
流石に喋り過ぎていると思う。
そう言いながら、イシュタルは小さな1センチ程の大きさの少女の人形を手から取り出した。
彼女は黒髪の姿で、異国の制服を身に纏っている。
スクナヒコナは彼らの雑談を聞きながら、細工作業を続けた。
やがて完成品を手に、高々と皆に見せびらかす。
ニックは鼻に入ったナニカを無理矢理掴んで引きずり出すと、なんと長い髪の毛のようなものが出て来た。
顔を顰めながらバックパックの中からコーラの空き瓶を取り出すと、中に髪の毛のようなものを入れた。
ニックはかみを入れた瓶に丁重に蓋をし、毒と書かれた紙を貼り付けてバックパックにしまい込んだ。
四人の魔族はそれを見ながら、コーラについて話に花を咲かせていた。