12☆ミ
文字数 2,309文字
授業の終わりに、四人はニックの元へと集まった。
ニックは溜息を吐きながら帰り支度をしている。
ライムはカラーコンタクトを受け取ると、颯爽とその場を去っていった。
彼女の後ろ姿を見送りながら、ニックはイシュタルに訊ねる。
ニックとガディスゼルが手を取り合うのを、四人は様々な想いで眺めていた。
イシュタルは満面の笑顔で、アーネトルネは虚無の表情で、シールックは苦々し気に、スクナヒコナは無表情で。
やがて、下校の時間が訪れる。
パニィとライムは満面の笑みでニックの肩をそれぞれ叩くと、物凄いスピードで帰っていった。
その様子を、ニックとガディスゼル、四人の魔族は黙って見送った。
二人が仲良くする姿を、スクナヒコナは黙って見つめた。
すると、教室の窓から爆美女が姿を現す。
スウッと音もなく、先程召喚したスキムルークがスクナヒコナの前に降り立った。
スクナヒコナの小さな手を、彼女はそっと握りしめる。
スクナヒコナはスキムルークと再び融合し、二人はお笑いの道へ進む為に魔族を脱退した。
イシュタル、アーネトルネ、シールックは彼を見送り、元の魔の谷へ帰ることにした。
一段落ついたようで皆は安堵し、それぞれの家に帰途についた。
了