11☆ミ
文字数 2,194文字
ニックの隣にガディスゼルが座り、二人は静かに授業を受け始めた。
どうやら二人は懇意の存在になったらしい。
四人は密かに顔を顰めた。
授業は退屈なものだった。
魔法理論の初歩的なもので、ファイヤーボールの打ち方、とある。
シールックは難しい顔をして黒板を凝視する。
イシュタルとアーネトルネは信じられないような顔をしてスクナヒコナを見つめ、大きな溜息を吐いて肩を落とした。
創世記の話題が進むに連れて、スクナヒコナは徐々に表情を歪め始める。
やがて、その場で地団駄を踏むように暴れ出した。
スクナヒコナは空高くジャンプすると、教室の窓際に飛び乗った。
三人に向けて、大きくアッカンベーをする。
イシュタルが追う間もなく、スクナヒコナは窓から大きくダイブする。
あっと思う間に彼は地面に落ちたが、全くの無傷でありそのまま華麗なポーズで着地した。
四人の話を盗み聞きながら、ニックはノートに授業の内容を書き出しつつ顔を顰めた。
白昼堂々、猥談を交わしている。
彼らと縁を切るべきか?
シャーペンでノートを突付きながら、暫く考え込んだ。
ニックのひそひそ話を聞きつけて、イシュタルはニックのパーカーを睨みつける。
退屈な授業は淡々と続いた。