4☆ミ
文字数 2,029文字
既に時刻は午前3時を回っているが、ニックは動けずにいた。
すぐに帰りたいと思いつつ、何故か話を聞いてしまう自分がいる。
先程スクナヒコナが作ったペンダントには、モウリョウが幾つも集まっていた。
そう言いながら、ニックはバックパックからチョークを出した。
しかし豪華な厚い絨毯の上にチョークで魔法陣を描くのは忍びなかったので、外で描くことにした。
ニックの後を、四人はぞろぞろと付いていく。
スモールライトは、どこでもドアの応用よ。
一旦身体を分解して無に帰した後で、新しい小さいヒューマノイドとして肉体を再構築するの。
ビッグライトも同じよ。
ただ、ビッグライトは明らかに質量不足を起こすから、仮にビッグライトを使ったら周囲の物質から素粒子を掻き集めなければならないから、大穴が空くね。
やがて外に出ると、ニックは地面にチョークで魔法陣を描き始めた。
陣構築を見ながら、アーネトルネは腕を組んだ。
やがて陣が発動すると、五人は一瞬でニックの家へと飛んだ。
最初はにこやかな気持ちになっていた四人だったが、ニックの家の陣に乗った途端に瞬時に悲しい気持ちになり、皆で肩を寄せ合って滝のように涙を流しあった。
再構築の陣には、大変な生への哀しみの術式が組み込まれていたためだった。
平然としているニックはアーネトルネに酷く罵倒され、陣は完全に描き直された。