ハーメルンの笛吹き男の真実……

文字数 929文字

グリム童話に、「ハーメルンの笛吹き男」ってお話があるよ。

どんな話か、ざっと紹介するね。

昔、ドイツのハーメルンではネズミが大量発生して、皆困っていました。
そこで、ハーメルンの笛吹き男が呼ばれ、町中、笛を拭きながら男が歩くと大量のネズミも男の後を負います。
笛吹き男は川の中へ入ると、ネズミは溺死。
男は報酬を求めました。
しかしハーメルン市は、報酬を支払いませんでした。
「笛吹き男は楽団士で、胡散臭い流れ者だから」という理由で。
そこで、怒った笛吹き男は、大量の子どもを笛吹きに合わせてスイスまで連れていきました。子どもたちは二度とハーメルンへは帰ってきませんでした。


……というお話。

このお話の時代設定は、中世。
つまり魔女狩りがあった時代です。
協会が強い権力を持っていて協会を否定する者は異端者として裁断され、ハーメルンの外へ追い出されたのです。
ハーメルンは当時、城壁都市でして、進撃の巨人のようなまさしく壁で囲われた都市だったのです。
今現在もハーメルンにはその名残があります。

ここから解説。
笛吹き男の招待は、人身売買の仲介者と思われる。
笛吹き男の職業である楽団士は、当時正規の職業ではなく城壁の外でホームレスのような生活をしなければならなかった。
「楽団士で胡散臭い流れ者だから」という報酬を反故にした理由も、魔女狩りの一種。
つまり差別、迫害である。

城壁の外は、薄暗い森が沢山あった。
森といえば、当時の人にとっては、魔女が棲む場所であった。
魔女は異端者として忌み嫌われていた。


……グリム童話で、白雪姫とか眠りの森の美女とかあるよね。
白雪姫は、実母に追い出され森に棄てられる。眠り姫は、森で何百年と眠らされる。

西洋の人にとって森は忌み嫌う対象だったのは間違いない。

ちなみに白雪姫って、あまりにも美し過ぎて、僅か7歳にして実の父親を誘惑して、肉体関係を持ったことに嫉妬した実母が、白雪姫を森に向かわせて殺してこいと家臣に命令するんだけど、家臣が同情して白雪姫を殺さずに逃がすんだよね。んで、そのあと7人の小人と出会ってまたそこで夜の相手をする。最終的に白雪姫は、自分を殺そうとした母親に罰を与える。焼きごてを履かせて踊らせるのだ。
まさに地獄絵図。
母娘とは、恐ろしい。
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