大海を渡る|えせ盲目の愛

文字数 195文字

押しつけて
押しつけて

君が潰れてしまったのがわからなかった。

息が出来なかった。

声を上げる事も出来ず、空を掴む手がぽっと落ちた。

足元に潰れている君の体の渦に引き込まれそうになる。

嬉しかったのは僕だけ
楽しかったのは僕だけ

僕の前で動かなかったのは、僕に安心していたからじゃない

僕が君の心を食いつぶしてしまったから

君が死んでしまうけれど、止められない僕は今日も見えていないふりをする。

僕の愛が君を殺す
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