大海を渡る|眠れない夜が続く

文字数 238文字

記憶の中の君の声を探す

やさしく僕の名を呼ぶ君のうつろな瞳。

ごめんね

出会った頃の君の笑顔を見なくなったのはいつの頃か覚えていない。

守れているから、僕を愛しているから、君なら大丈夫と安心しきっていた。

でも、それは僕が一人で思い込んでいただけで、君がついて来れていない事を知った時には手遅れだった。

女神のような大きな愛の恩恵で僕の笑顔を守ってくれていたのは君で、そして深く深く愛していたのは僕だった。

ひとりよがり、自分しか見えなかった。

それなのに譲れない僕。

情けない自分が僕を笑う。
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