第3話:御岳山の噴火、静岡地下街ガス爆発事件

文字数 2,078文字

 後者の方は反主流派の領袖である福田・三木・中曽根・中川一郎が大平が1度辞任するということで了承。しかし、山中貞則ら強硬派が「大平が次回総裁公選に出馬しないことを了承しなければ認められない」と主張し不調。11月6日、首班指名選挙が行われるが、首相候補として自民党から大平正芳と福田赳夫の2人が現れるという前代未聞の事態となった。

 この結果、2人とも過半数の票を得ることができなかった。最終的には、野党各党を退けた自民党の上位2名による決選投票にまでもつれ込んでしまった。衆議院では大平138票、福田121票という投票結果となり17票差という僅差で大平が指名された。野党、各党は、新自由クラブが1回目から大平に投票した。

 その他は、決選投票では棄権に回った。また、複数の党が協力して決選投票に駒を進めようとする動きも見られなかった。大平派が公明党を福田派が民社党を取り込む動きもあったが、両党とも決選では棄権を選んでいる。なお、参議院では1回目の投票で大平78票、飛鳥田51票、福田38票と続き、大平と飛鳥田の決選投票となった。

 しかし、福田派とミニ政党の一部が大平に回った他は棄権に回り大平97票、飛鳥田52票で衆議院と同様に大平が指名された。組閣の時、首班指名で大平に投票した新自由クラブと閣内連立を模索して閣僚入りさせようとしたが反主流派が反発して組閣は難航した。11月9日、大平は文相を自らが臨時代理として兼任する形で第2次大平内閣を発足させた。

 そして、新自由クラブとの連立枠としての閣僚人事の余地を残す形で急場を凌いだ。しかし、11月20日、最終的に閣内連立を断念し、文相は自民党で総裁派閥宏池会の谷垣専一を起用して抗争は一応終結した。10月28日、木曽御嶽山が噴火。1979年の水蒸気爆発以前、御嶽山は火山学者の多くと一般大衆から死火山と認識されていた。

 実際、この爆発を伝える新聞見出しも「死火山大爆発」などと報道された。この事から、この時点で、御嶽山は死火山であるとの認識が一般的だった。1979年当時は、定常的な観測体制が整備されていなかったため明確な前兆現象が観測されなかった。また活動自体も山麓から噴気が観察できる規模ではなかった。

 そのまま、同年10月28日に水蒸気爆発を起こし、約千メートルの高さにまで噴煙を噴出した。同日5時頃に発生した噴火は14時に最大となり、その後、衰退した。噴出物の総量は約20数万トン。噴煙は北東方向に流れ、長野県軽井沢町や群馬県前橋市にまで降灰が観測された。

 この噴火で、日本国内における火山の分類「死火山、休火山、活火山の定義」そのものが見直された。現在では「活火山」以外の用語は使われない。地獄谷上部の標高2700メートル付近を西端とし東南東に並ぶ10個の火口群が形成され、噴出量は18万トンから20数万トンほどの小規模な噴出量だった。

 最大降灰深度は溫田原「ぬくたはら」で3センチと報じられた。噴出当初の火山灰は湿り気を帯びハロイサイト、カオリナイト、モンモリロン石などを主成分とする粒状。また、モンモリロン石を含む事から山頂地表下の浅い場所に泥漿溜まりが存在して泥漿溜まりが深いところからの高温ガスによって熱せられ爆裂的に噴出したと考えられた。

 約50名の登山者がいたが負傷1名だけの被害で済んだ。やがて1980年となった。7月25日、ルービックキューブが日本で新発売された。その後、ルービックキューブが大ブームとなった。8月16日、静岡駅前地下街爆発事故が起きた。この年の9時31分頃、ゴールデン地下街にあった「静岡第一ビル」の寿司店で小さなガス爆発事故が発生した。

 事故発生後、すぐに消防などに通報され、消防吏員、警察官、静岡県のガス担当者らが駆けつけ現場検証を開始した。この時、報道関係者も地下街に入っていて事故現場を撮影しようとしていた。この爆発は地下の沸き水処理槽に溜まっていた「メタンガス」に何らかの火気が引火したことが原因だとされた。

 この爆発で寿司店の床と奥にあった機械室が大破してしまったものの火災は発生せず爆発事故にしては比較的小規模なものだった。しかし事故はこれで終わりではなかった。現場検証を続けていた消防員が寿司店の奥の機械室に入った瞬間、ガス検知器が高濃度の可燃性ガスを検知した。消防員はすぐに避難指示を出した。

 そして、排気作業を開始したが間に合わず2度目の爆発が起こってしまった。この時の爆発は1度目の爆発とは違い、大規模なものになった。実は1回目の爆発で都市ガスのガス管が破損していて、そこから漏れ出した都市ガスのガス管が破損し、漏れ出した都市ガスが地下街に溜まっていた。

 しかも都市ガスは空気よりも軽いため、真上にあるビルの上層階にまで達していた。そのため、都市ガスに引火し真上にあったビルが大爆発した。今度は火災も発生し、このビルの向かいに立っていた西武百貨店静岡支店や周囲に隣接していた建物、商店やビル郡あわせて163店舗が、ガラスや壁面などを破損した。
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