第10話:引越と子供たちの就職、借地

文字数 2,042文字

 その後、子供たちの住む横浜に引っ越そうと言うと快諾してくれた。重宗大助は、直ぐに松本での恩人の75歳になる徳峰佐吉さんの所へ向かった。そして、徳峰佐吉さんに株投資の成功で金ができたので退職し子供達のいる横浜に引っ越しますと伝えた。それに対して徳峰佐吉さんが喜んでくれた。

 こうして4月末付で八十二銀行松本支店を退職した。その後、重宗大助は、自分か生まれ育った八王子市鑓水へ向かった。すると、昔、山里であった場所に大きな多摩ニュータウンの街と商店街が完成していた。その近くを京王相模原線が走っているのには驚いた。そこで京王相模原線の南大沢駅で降りてタクシーで鑓水へ向かった。

 タクシーに乗り、西に向かい大栗川沿いを走り橋を渡ると運転手がここから鑓水地区だと言った。少し行くと鑓水公会堂が見え下ろしてもらった。その後、鑓水公会堂に入り事務所の人に昔の話をした。その後、絹の道の入り口の昭和25年、自分は鑓水で生まれたと言った。 そして集落の話をすると徒歩で10分の所へ行くと自分の故郷があった。

 しかし、周辺の家には既に知っている人たちは、おらず肩を落とした。仕方なく横浜で新しく開発され便利の良い場所を探そうと考えた。その後、港北ニュータウンのことを知ろうと横浜市駅地下鉄ブルーラインのセンター北駅近くに賃貸マンションを探した。すると5月に4LDKで月20万円の家賃の賃貸マンションを探し借りて生活することにした。

 その後、6月、重宗利一と重宗芳子も学生アパート引き払い引っ越してきた。この頃。重宗利一と重宗芳子が父が株投資で稼いでるのを知って自分達もインターネット証券のDLJ証券に証券口座を開設した。そして、重宗利一と重宗芳子が父に150万円ずつ借りて、それぞれ、2百万円ずつDLJ証券に入金した。

 やがて夏休みになり重宗利一は、富士通に採用を前提とした研修アルバイトに参加した。その、一方、重宗芳子は、センター北の阪急百貨店で採用を前提とした研修アルバイトに応募して参加した。9月初旬に富士通と、阪急百貨店の採用試験を受けて9月中旬、内定通知を重宗利一と重宗芳子が、それぞれ受け取り採用された。

 この頃、父が株投資して資産を作ったことを知って重宗利一と重宗芳子も父から百万円ずつ借りてインターネット証券に証券口座を開いた。2000年6月から7月にかけて雪印集団の食中毒事件が発生した。その被害者の総数が13420人と過去最悪となった。3月31日、有珠山が噴火し、7月8日、三宅島・雄山が噴火した。

そのため、三宅島の全島民、約3800人が4年5か月の間、島外へ避難を強いられた。その後、2001年が明けると正月休み、重宗利一と重宗芳子がヤフー株がもし下げたら買ってみたいねと話し合った。その後、1月30日、横浜市営地下鉄で中山駅から日吉駅までのグリーンラインが新しく着工開始するとのニュースが飛び込んできた。

 そして、グリーンラインは、途中、ブルーラインと港北ニュータウンの中心地のセンター南、センター北の間で並行して走ることも明らかになった。そこで、重宗大助は、グリーンライン沿線で大きな農家はないかと車で奥さんと探し回ると新吉田町の早渕側の近くに大きな農家があることが判明した。

 その後、地元の不動産屋で購入できないかと聞くと昔からの農家が自宅を構えていて売りたい人もいるがと教えてくれた。しかし、農家でないと所有できないと言われた。それなら名義変更なしに賃貸契約ができないかと貸地と言うことで借りられないかと聞くとできないことはないが農地ですが本当に良いのですかと聞かれた。

 整地して家を建てるにしても坪単価は安くないとも言われた。それを聞いて具体的な条件を調べて欲しいと打診した。わかりました1、2週間の内に調べて連絡しますと答えた。2月に入り120坪で月12万円で名義を換えずに貸すと言う。しかし、税金、電気、ガス、上下水道の諸費用など諸経費は、借主負担。

 また、更地で返してもらう時の解体費用なども全て借主負担。つまり、貸し主の費用負担が、かからないなら貸しても良いと言う農家が1ヶ所あると言われた。その条件を重宗大助と奥さんとで検討してやってみましょうと言うことになった。その後、不動産屋と貸し主に面会すると50歳代の男性がやって来た。

 彼の両親が数年前に老人施設に入り兄弟達は、東京、川崎、横浜で生活して農家を継ぐ者がいないと語った。しかし、税金だけは、しっかり取られるので困っていたと語った。雑草の処分だけでも費用が馬鹿にならないと言う。家族たちの中に新しく農家をやる人もおらず困っていたと語った。

 それを聞いて月12万円で貸してもらう事で良いのですねと聞き直すと、間違いありません。しかし、土地に関連する税金や必要な諸費用は全て借り主の負担と言う契約所にサインし手くれるのですねと言われOKした。こうして、数日後、不動産屋が書いた契約書が送られてきて契約した。
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