第13話 神聖不可蔑。 …子産まぬ巫女呪い…

文字数 348文字

          ◆

『 女と煙は神のもの。 』

 一族に生まれた男のコどもたちは。

 必ず、そう教わった。

『 煙草は男たちの心をひとつにし、
  狩と戦を勝利に導く。

  女股は男たちの高ぶった槍棒を鎮め、
  新たな命、という奇跡を産みだす。 』


 村の根幹を支える。
 二つの、聖なる宝であるから。

 けっして疎かにも蔑ろにもするな。
 と…

 深く、刻まれて、育つ。


           ◆


 他の群れでは、必ずしも、
 そうではないようだった。

 哭きながら、小突かれ、嬲られて。
 哭きながら、子を産み、はいづりまわる…
 そんな他族の、哀れなおんなたちを。

 村の産み巫女たちは、よく、夜闇に紛れて、
 救い出して…
 かくまっていた。


          ◆


 そのようになるには、
 古い、いきさつの物語が…

 あった。




 
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