第11話:新型インフルエンザ出現

文字数 2,068文字

 2009年1月16日、国立感染症研究所、流行中のAソ連型インフルエンザウイルスに治療薬であるタミフルが、効かない薬剤耐性ウイルスが97%を占めることを発表した。1月17日、東京都町田市の鶴川サナトリウム病院で、インフルエンザ院内感染が発生した。1月3日からこの日までに100人以上に感染、3人が死亡した。

 2月9日、東京地方検察庁特捜部、大手ゼネコン「鹿島建設」の裏金を大分市のコンサルティング会社「大光」の企業グループが受領、脱税した法人税法違反容疑で、大阪市の「浪速コンサルタント」の社長ら5名を逮捕した。2月14日、南から流れ込んだ暖かい空気に強い日差しが加わって2002年以来の全国的に気温が上昇した。

 静岡市清水区で26.8℃、小田原市で26.1℃、金沢市で26.1℃など、全国105ヵ所の観測地点で2月の最高気温を更新した。3月3日、東京地方検察庁特捜部、準大手ゼネコンの西松建設による政界トンネル政治献金疑惑で、民主党小沢一郎代表の第一公設秘書、西松建設前社長らを政治資金規正法違反容疑で逮捕した。

 3月4日、総額2兆円の定額給付金の財源裏付けとなる平成20年度第二次補正予算執行関連法案、参議院本会議にて否決した。しかし、その後、衆議院本会議で自民党と公明党の3分の2の賛成で再議決され成立した。この採決において与党側のうち小泉純一郎が欠席届を提出の上、欠席した。小野次郎が直前の退席で採決を棄権した。

 定額給付金とは、緊急経済対策の一施策で2009年3月4日に施行された給付形式の定額減税政策で、給付対象者1人につき12000円が支給された。基準日において65歳以上の者及び18歳以下の者については、8千円の加算で2万円を受給した。3月10日、日経平均株価の終値が、7954円98銭。バブル崩壊後の最安値を更新した。

 5月11日、小沢一郎民主党代表、代表職を辞職する意思を表明した。4月22日国際通貨基金「IMF」、実質経済成長率「実質DGDP」を日本は、-6.2%とする今年の経済見通しを発表した。4月27日、政府、メキシコを中心に発生した豚インフルエンザ事案を受け緊急閣僚会議で、ウイルスの日本国内への侵入阻止した。

 ワクチンの製造、在外邦人に対する情報提供支援などを柱とした緊急対処方針を決定。4月28日、世界保健機関「WHO」が、今回の豚インフルエンザ事案の警戒レベルをフェーズ4に引き上げる発表をした。それを受け、政府は厚生労働大臣舛添要一が緊急記者会見を開き『新型インフルエンザの発生』を宣言した。

 それと同時に、「かかる事態に冷静に対処し、国民の不安解消に努める」等の緊急声明を発表した。2009年新型インフルエンザの世界的流行は、2009年1月頃から2010年3月頃にかけ、豚由来インフルエンザである 。A「H1N1」pdm09型インフルエンザウイルスの人への感染が世界的に流行した事実である。

 CDCによるインフルエンザ・パンデミック重度指数「PSI」においては、カテゴリー1に分類されるパンデミックである。発生源は、ブタの間で流行していた豚インフルエンザウイルスとされ、これが農場で豚から人に直接感染し、それから新型ウイルスとして人の間で広まったとされた。新型インフルエンザ、豚インフルエンザ、A型H1N1亜型インフルエンザ、H1N1インフルとも呼ばれる。

 この流行が大きな問題になったのは、流行初期にメキシコにおける死亡率が非常に高いと報道されたからである。しかし、実際には重症急性呼吸器症候群 「SARS」 のような高い死亡率は示してはいない。当時の日本では、感染症法第6条第7項の「新型インフルエンザ等感染症」に分類され、感染者は強制入院の対象となっていた。

 しかし2009年6月19日に厚生労働省が方針を変更してから、この扱いはなくなり、季節性インフルエンザと同等の扱いとなっている。5月9日、厚生労働省、前日にカナダからデトロイト国際空港発成田国際空港着の旅客機で帰国した大阪府立高校の教員と高校生の3人について新型インフルエンザウイルス感染を確認、3人を成田市内の病院に隔離そた。

 彼らの周囲2メートル以内にいた乗客についても10日間の検査隔離を行う措置。後に、7日間に短縮。7月21日、閣議おいて衆議院解散を決定した。同日の衆議院本会議で河野洋平議長が詔書を朗読して衆議院が解散された。この解散により小泉純一郎元内閣総理大臣を含む前職、25人が今期限りで引退することになった。8月15日、新型インフルエンザによる死者が国内で初めて確認された。

 初の死者は宜野湾市の57歳男性、心筋梗塞の治療歴ある。8月19日、政府は新型インフルエンザによる死者が確認されたことを受けて本格的な国内の流行拡大を宣言した。9月9日、第45回衆議院議員総選挙が、行われた。その結果、自民党が惨敗し、民主党・社会民主党、国民新党の党首会談において新しく発足する政権に3党による連立政権を組むことで合意した。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み