第27話 あおいちゃんとお泊まり
文字数 910文字
まだ、話たりない。もっと仲良くなりたい。だから、夕食後、あおいちゃんに切り出した。
「あのさ、迷惑じゃなかったら、でいいんだけど……。今晩、お泊まりしない?」
「え、いいの……? こちらこそ、迷惑じゃない?」
「こっちは全然。お父さんも、お母さんも、いいよね」
「うーん、あおいちゃんの親御さんは、どうなのかな」
「ちょっと聞いてみてもいいですか」
あおいちゃんは、スマホを取り出すと、電話をかける。
「あ、お父さん。あのね、友だちの家にお泊まりしたいんだけど……。うん、うん、わかった」
スマホを離すと、お父さんとお母さんの方を見る。
「父が、ももかちゃんのお父さんかお母さんに代わってほしいって言ってるんですけど……」
「OK。わかった」
そう言うとお母さんはスマホを受け取った。
「ええ、ええ。お任せください」
電話の時のお母さんの声は、なぜだかいつもワントーン上がる。
「娘をよろしくお願いしますって。あおいちゃん、ゆっくりしてってね」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
そんなわけで、あおいちゃんとお泊まりすることに決まった。
「そうだ、あおいちゃん。よかったら、これ食べてほしいんだ」
私は、冷蔵庫からお昼につくったブッセを取り出して、テーブルに置いた。数時間冷やしたブッセは、ひんやりとした冷気をまとっている。お昼食べたときとは味が変わってしまっているけど、夏はこっちの方がおいしいかも。
「わあ。もしかして、ももかちゃんがつくったの?」
「うん」
目を輝かせているのを見ると、期待値が上がっている気がして、緊張する。
「食べても、いいかな」
「もちろん」
いただきます、と手を合わせて、あおいちゃんはブッセを口にする。
あおいちゃんは、ほっぺたをちょっぴりふくらませて、こちらをまっすぐに見つめた。にゅっと持ち上がった口角を見てると、とても幸せそうなのが伝わってくる。
「めっちゃおいしい」
「そっか。ありがとう!」
ああ、なんかうれしいな。この感じなつかしい。なつかしくって、とても大切な……。
幸せそうに食べるあおいちゃんを、両親もにこにことみていた。最近の、お菓子作りでのもやもやが、少し晴れたような、そんな気がした。
「あのさ、迷惑じゃなかったら、でいいんだけど……。今晩、お泊まりしない?」
「え、いいの……? こちらこそ、迷惑じゃない?」
「こっちは全然。お父さんも、お母さんも、いいよね」
「うーん、あおいちゃんの親御さんは、どうなのかな」
「ちょっと聞いてみてもいいですか」
あおいちゃんは、スマホを取り出すと、電話をかける。
「あ、お父さん。あのね、友だちの家にお泊まりしたいんだけど……。うん、うん、わかった」
スマホを離すと、お父さんとお母さんの方を見る。
「父が、ももかちゃんのお父さんかお母さんに代わってほしいって言ってるんですけど……」
「OK。わかった」
そう言うとお母さんはスマホを受け取った。
「ええ、ええ。お任せください」
電話の時のお母さんの声は、なぜだかいつもワントーン上がる。
「娘をよろしくお願いしますって。あおいちゃん、ゆっくりしてってね」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
そんなわけで、あおいちゃんとお泊まりすることに決まった。
「そうだ、あおいちゃん。よかったら、これ食べてほしいんだ」
私は、冷蔵庫からお昼につくったブッセを取り出して、テーブルに置いた。数時間冷やしたブッセは、ひんやりとした冷気をまとっている。お昼食べたときとは味が変わってしまっているけど、夏はこっちの方がおいしいかも。
「わあ。もしかして、ももかちゃんがつくったの?」
「うん」
目を輝かせているのを見ると、期待値が上がっている気がして、緊張する。
「食べても、いいかな」
「もちろん」
いただきます、と手を合わせて、あおいちゃんはブッセを口にする。
あおいちゃんは、ほっぺたをちょっぴりふくらませて、こちらをまっすぐに見つめた。にゅっと持ち上がった口角を見てると、とても幸せそうなのが伝わってくる。
「めっちゃおいしい」
「そっか。ありがとう!」
ああ、なんかうれしいな。この感じなつかしい。なつかしくって、とても大切な……。
幸せそうに食べるあおいちゃんを、両親もにこにことみていた。最近の、お菓子作りでのもやもやが、少し晴れたような、そんな気がした。