第10話 二次界隈のカースト制度?

文字数 1,415文字

 古くから存在するとある作品の二次創作界隈の話をしよう。そこは、古株の先輩と新参者との間でのカースト制が盛んなのだそうだ。今現在嵌まっている作品のファン界隈を探す為にSNSを探していたところ、その作品に対して非常に下品な暴言を吐いてるのを見つけた。堂々とそのような事を呟いている事に驚いて、その方のプロフィールを拝見してみた。すると、噂で聞いてた界隈のファンだった。作品自体に興味はなかったが、ふと、噂の真実を確かめてみたくなったのだ。

 確かに、古くから活動している方々が自由に二次創作をあげている中、新しく入って来た人はおどおどビクビクしているような印象を受けた。別段、SNSで発言や作品を上げて良いかどうか先輩にお伺いを立て、許可を得てからなどという事はない。だが、必要以上に古株をおぼしき方々を持ち上げての会話、作品についての感想などが目についた。恐らく、新人は先輩を敬う。先輩より目立つべからず……そう言った

が存在するのだと思われた。SNSを活用せずに二次創作だけサイトにあげている人達もいるだろうから、全てをその古株の方々が統制出来ているのかは不明だが、サイトに二次創作をあげるにもピリピリとした雰囲気が感じられた。SNSをしておらず、二次創作をサイトに上げた新人と思われる方のコメント蘭に、先輩を敬うべきでは……と暗に『新人の癖に先輩より人気があるなんて生意気だ』と匂わせるような事が書かれていたのを何件が見掛けた。コメントの主は、所謂捨て垢と呼ばれるものでただ登録だけしてあるだけのようだったが。
 
 無断で作品をお借りして好き勝手に原作を弄んでいるという事実は、先輩であろうが新人であろうが一切無関係、等しく同じ穴のムジナなのだ。何やらおかしな世界であるが、ファンが多数になればなるほど、そういった雰囲気になる場合も少なくないようだ。本来は作品の愛を語らう場で、カーストを争う場ではなかった筈だ。

 時代はどんどん移り変わり、二次創作が

である事を知らずに堂々と始める人も続出している。ここまで増えてしまうと、公式も制御しきれないところまで来ているという事は、第7、8話で述べた通りだ。加えて、少なからず二次創作から原作を知り作品のファンになる、という逆パターンも出て来ると聞く。けれども何度でも述べよう。片目を瞑って頂いているだけで、もし公式に訴えられたら罪になるという事をもっと周知させるべきではないか。
 
 中には、商業デビューを目指して敢えて二次創作で目立つ、というケースも増えているようだ。公募のように一から全て自分で創り上げるよりも手っ取り早く、また自分自身も楽しいという理由だそうだ。過去、そして今現在も二次創作からスカウトされたケースも耳にする。しかし、オリジナルが出来なければ生き残るのは非常に厳しいだろうし、さも二次創作から商業デビューを果たしたプロが数多いるように聞くが、実際に成功をおさめるのは極めて稀である事、更には二次創作のアカウントやペンネームは秘密にして新たに始めるパターンが大半だ。更に言えば、プロデビューして生き残れるような方々は、二次であろうとオリジナルであろうと人を惹き付けてやまない抜きん出た魅力があるのだ。二次創作で人気を博してスカウトを狙い、商業デビューを果たそう……誤解を恐れずに言い換えれば

だ。最早モラルの問題になって来ているのだろうか。

 

 
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