第11話 幻日~消し炭色の領域~

文字数 980文字

 二次創作をしていると、結構な確率で作品名やキャラの名前をハッキリと明記して二次作品をあげている人を多く見掛ける。例えば、ファンの一人として作品や作者を応援したい、続編を希望とする為に公式に届けようと敢えてそうするのは結構だしむしろ大いにそうするべきだろう。
 けれども、二次創作においては勝手が違ってくる。先ずは非公式であるのにも関わらず、作品名やキャラ名を明記すると、二次創作とは知らずに公式と混同してしまう人が出てしまうかもしれない。そこで原作に興味を持って原作のファンになって頂けるのなら良いのだろうが、必ずしもそうなるとは限らない。むしろ以前述べたように、原作にはない設定や結末、カップルの組み合わせ、陵辱もの等の描かれた二次創作を見て

という懸念事項が発生する可能性が高い。

 そこで、界隈では絵文字や顔文字、単語の間に記号を入れたりして公式や原作に興味を持った人にヒットしないように配慮するのが暗黙のルールとなっている。けれども、これは殆ど意味を為さない。いかに検索避けを施そうと、公式には全てバレていると思って良いだろう。一度、界隈で使っている絵文字と記号の組み合わせを検索してみた事がある。結果、その原作がいとも簡単にヒットしたのを見て背筋が凍りついた。また、中には公式をブロックしているから作品名やキャラ名を堂々と入れて二次創作をアップしても大丈夫という意見もよく聞くが、公式は別のアカウントで俗にいう

をしている可能性が高い。

 また、中には二次創作で注目を浴びてスカウト、公式デビューを狙って敢えて堂々と作品名やキャラ名をあげている人も少なくないようだ。特に、イラストや漫画は人目につきやすい為、二次創作からプロデビューをした著名人が多いとか、実際にデビューし易いとも聞く。けれども、仮にそれが本当だったとしても、二次創作でのペンネームは使えずに変えたり、活動は非公開にするように指示される事が殆どである事。更に、同人活動と言うと二次創作と混同されているが、オリジナル作品も同人誌に分類される事も付け加えておく。

 いずれにしても、二次創作は本来は

である事。様々な状況からただ単に公式から片目を瞑って頂けているだけで決して許されている訳ではなく、限り無く黒に近いグレー(消し炭色の領域)である事を肝に銘じなければならない。
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