第5話 腐女子のタイプ

文字数 1,135文字

 原作を同じように愛し、似たような部分で萌えポイントに嵌まる者同士、SNS上の非公開のグループを作り、メッセージのやり取りをするようになった。そんな中、やはり私は元々腐女子の傾向があった事を確信した。昔から美形男子が好んだ事、そう言えば一次創作の処女作品は美形男性同士の恋愛を薄っすらと匂わせるものだった。光と闇をテーマにした作品で、特にそれを意図した訳ではなかったが。そして今まさに嵌まっている作品はBL

と言われるジャンルのものだ。

 仲間と会話していく内に、腐女子には大きく分けて四つのタイプがあるのだと知る。

 一、光の腐女子。
 終始相思相愛の幸せな物語を好む。勿論ハッピーエンド以外受け付けない。まさに光の物語を愛する腐女子。ピュアラブ、結婚、また子育て家族物も好物。
 二、夜明けの腐女子。
 結末に至るまですれ違い、両片想い、紆余曲折、回り道の末のハッピーエンドを好む。辛さ、どん底、絶望の色が濃いほど幸せなラストに萌えるタイプ。
 三、黄昏の腐女子。
 作中の二人が幸せなのであれば、死ネタでも別離でも構わないキャパシティーの広さを誇るタイプ。メリーバッドエンドが大好物。その為、光の腐女子、夜明けの腐女子の好むハッピーエンドは黄昏の腐女子にしたらバッドエンドと感じる。
 四、闇の腐女子。
 ヤンデレ、闇堕ち、倒錯的な愛、独り善がり……闇深くシリアスであればある程萌えるタイプ。故に光の腐女子、夜明けの腐女子が言うところのハッピーエンドは好まない、論外。

 

と一言で言っても、人によって捉え方は異なる。実際は上記の四パターンを複合したタイプが多いと思われる。かくいう私は、典型的な

タイプだ。そう言えば、作品を探す際もどん底の辛さを味わった上でのハッピーエンドを検索していた。タイプに分けるとすれば、まさに現在嵌まっている作品も『夜明けの腐女子』 タイプに分類されそうだ。

 二次創作も、この四つのタイプを元に原作を弄らせて頂くパターンとなろう。例えば、原作が『闇の腐女子』タイプであったなら、『光の腐女子』タイプにアレンジさせて頂く。原作が『夜明けの腐女子』タイプであったなら、『闇の腐女子』に。各自の性癖従って創作するのだ。勝手に弄らせて頂くのだ、未だに後ろめたい気持ちとの葛藤はある。

 ここで、各自

と表現される好まないどころか嫌悪感を覚える物語の展開がある。書き手は読み手にそれを避けさせる為、キャプションで注意書きがされたり、タグでカップル名を表示したりするのだ。また、タグづけは公式やオタクでも腐女子でもないファンの検索を避ける為に、界隈だけに分かる隠語で表す事もある。

 次のお話では、この

について書いてみようと思う。



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み