第7話 『公式』と『二次創作』の関係について・その一

文字数 1,210文字

 某人気アニメが二次創作に関してのお願いを公表した件は、記憶に新しい。その時の二次創作界隈の反応は実に様々なものであった。その反応は大きく二つに分けられるだろうか。また、あるアニメ作品の公式は、二次創作において公式の通りのカップル以外は認めない、という旨の発表もあった。そどちらも二次創作界隈ではかなり荒れたようだ。

 一、公式の発表に従うべき
 二、二次創作は自由なのだからそこは認めて欲しい

 なるほど、どちらの意見にも言い分はあるだろう。創作は自由であるべきだ。しかしここで一つ、忘れてはいけない事がある。そう、二次創作は非公式である

であるという点だ。そういう意味では、公式が見解を示した時点で二次創作活動を見直す必要があるのだ。指示に従うのは勿論の事、二次創作をする事で、たまたまそれを見たファンが公式とそれを混濁するような事をしていないか? ネットプリントや同人誌、所謂薄い本の活動など目立ち過ぎていないか……厳密に言えばこれらの活動は公式に認めて貰った上での行為ではないので黒であるのだが……を振り返る必要があるのだ。

 ここ何年か、公式に許可を取っていない二次創作やコスプレなどのイベントがマスコミ等にクローズアップされるようになってきた。そのせいか、まるで二次創作はファンの当然の権利のような主張が多く見受けられるようになってきている。前述したように、二次創作は自由なのだからそこは認めて欲しい、という意見に代表されるように。

 SNSで、以下のような事例を見た。

『某作品の二次創作をしているが、設定は私のオリジナルである。許可なく無断転機、設定の盗用は辞めて欲しい』

 それについて、似たような設定になるのは古くからシェイクスピア、文豪と呼ばれる人達に至るまで言われて来ている事だ。今更取り立てていう事ではない。盗作はいけない、きっちりと時系列で本当に盗作されたのであるならしっかり証明するべきだ、などかなりの反応があった。

 しかし、よく考えてみて欲しい。

であるという事を。許可なく原作の設定や登場人物などを借りている時点で、そこに二次創作者のオリジナルが入ろうが入らなかろうが

なのだ。よって、二次創作はオリジナル、という主張は成立しない

 マスコミにクローズアップされる事によって、二次創作が黒に近いグレーゾーンであるという事実を知らない人が増えて来ている。この事実に背筋が凍る。故に公式も、上手く二次創作界隈を利用しようという動きに移行しつつあるようだ。勿論、全てがそうではない。二次創作自体を禁止していたり、ハッキリと発表はしなくともそれを許さない雰囲気作りに成功してる公式もある。

 次の章では、具体的に『公式』と『二次創作』の関係についていくつかも礼を述べていこう。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み