(二十三)水仙

文字数 7,231文字

 二月、極寒の中何事もなく時は流れ、月末の土曜日の午後を迎えた。ふたりは三上の部屋でのんびりとラジオを聴いていた。
『リスナーのみなさん、寒い日が続いておりますが如何お過ごしでしょうか。眩しい夏の太陽が恋しい、今日この頃ですね。それではこの寒さに負けないように、次の曲はフランスの古い名画、太陽がいっぱい、のメインテーマです。どうぞ』
 DJの曲の紹介にはっとするふたり。こりゃ、やべえ。三上は慌ててラジオのスイッチをオフ。部屋には気まずい空気が流れた。
 ところが突然着ぐるみマンがメモ帳に何かを記し、三上にそれを渡した。どうしたんだよ。面倒臭そうに受け取る三上。
「あんちゃん、今までずっと黙っていてすまなかっただな」
「なんだよ、いきなり」
 不機嫌そうな三上の顔をじっと見詰めながら、着ぐるみマンは続けた。
「実はおいら、いなかで両親と弟とかみさんと、それからひとり娘の綾と一緒に暮らしていたんだな」
「へえ、そうか。それがどうかしたのかよ、急にあらたまって」
「ま、いいから聞いてくれというか、読んでほしいだな」
「ああ、わかったよ」
 頷く三上に、そして着ぐるみマンの今までで一番長い長い文章がメモ帳に綴られた。それは着ぐるみマンが渡辺時代も含め、今までずっと三上にそして世間に対して隠し通して来た、着ぐるみマンの暗い過去の秘密だった。
「おいらの家族はみんな絵に描いたような良い人ばかりで、おふくろとかみさんの手料理はおいしくて、おいらはふっくらと太って幸せそのものだっただな。ところがおいらが三十二歳の八月の夜、そんなすべてがこわれてしまったんだな」
 何。吃驚して着ぐるみマンの顔を一瞬見詰めた後、三上はメモ帳の続きに目を落とした。
「それはいなかの夏祭りの晩だっただな。家にかみさんとまだ幼い綾を残して、おいらたち残りの家族はみんなして祭りに出かけただな。しかし虫の知らせか、おいらは途中で急におなかの調子が悪くなって、ひとりだけ先に家に引き返したんだな」
 ああ、そうか。一呼吸置いて、続きを読む三上。
「ところが家の前に立って、どうも中の様子がおかしいことにおいらは気づいただな。というのも玄関のドアが半分開いたままで、しかも中から綾の泣き声。加えてかみさんの悲鳴まできこえてきたんだな」
 えっ、まじかよ。やっとシリアスな文面に気付いて、真剣な表情になる三上。
「これはただごとではないと、おいらが血相を変えて中に入ると、そこにはおいらの昔ながらの親友の男がいただな。だからかみさんのやつ、きっと油断して家に上げてしまっただな。ところがそいつはぐでんぐでんに酔っ払っていたんだな。そして嫌がるかみさんに、無理矢理乱暴していたんだな」
 おい、まじか。再び着ぐるみマンの顔を一瞬見詰めた後、三上は直ぐにメモ帳に視線を戻した。
「びっくりしたおいらは、最初やんわりと止めろ止めろと言葉で止めさせようとしただな。でもそいつはいっこうに止めようとしなかっただな。それどころか目を血走らせ、まるで一匹の野じゅうのように、かみさんの体にしがみついて離れないんだな。しかたなく、おいらは力ずくでそいつをかみさんから引き離そうとしただな。そしたら逆上したそいつは起き上がり、おいらをおもいきりぶん殴って、おいらは大の字になって倒れただな。それだけじゃおさまらないそいつは、台所から包丁を持ってきたかと思うと、かみさんの胸を刺そうとしただな」
 まじ、やべえ。三上はメモ帳に釘付け。
「急いで起き上がったおいらは、その時もう頭にかーっと血が昇って、もうわけがわからなくなっていたんだな。気付いた時おいらは近くにあった大きなガラスの灰皿で、そいつの頭を何度も何度も叩き続けていたんだな」
 まじかよ、着ぐるみマン。絶句する三上。
「我にもどったおいらの前で、そいつはもうぐったりと床に寝転がっていただな。おいらを見つめるかみさんの悲しそうな目が、今も忘れられないだな。その時テレビは日曜洋画げき場で、太陽がいっぱい、をやっていたんだな。その曲のメロディが嫌というほど、おいらの耳のこまくにこびりついてしまっただな」
 なんて、こった。息を飲む三上。そうだったのか、着ぐるみマン。顔を上げ、着ぐるみマンをじっと見詰める三上。しかしまだメモ帳は残っている。最後までそれを読み遂げる三上。
「おいらはかみさんとふたりであわてただな。とにかくあなたは逃げて、後はわたしがなんとかするから。かみさんにそう言われ、おいらはもう夢中でふたつのマジソンバッグに荷物をつめると、そのまま外へ飛び出しただな。ああ今から思えば、あの時自首しておけば良かったと、今さらいくら悔やんだところでもう後の祭りだな。いつのまにか外は激しい雨で、急いでおいらが手にした傘はかみさんの女もん。そんなことを気にする余裕もなく、おいらは土砂降りの中、逃げて逃げて逃げただな。それからどこをどう逃げたのか、いつか青森から東京へと流れ着き、その間食い物もろくに食べず、おいらはげっそりとやせてがい骨みたいになってしまっただな。そしてあんちゃんのいた、あの風の丘公園に辿り着いたというわけだったんだな」
 はあ、そういう訳だったのかい。まったく俺は、何も知らなかったぜ。着ぐるみマンをじっと見詰めた後、三上は気持ちを静める為、腕を組み沈思黙考した。さあて、一体どうしたもんか……。
 そしてしばらくして三上は、着ぐるみマンのメモ帳に返事を書いた。
「よしわかった。大変だったな、辛かったろう今まで。でももしおれがおまえの立場だったとしても、やっぱりおれもおまえと同じことをしたと思う。だから、おれはおまえを守る」
 えっ、守る……。鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする着ぐるみマン。それでも構わず三上は続けた。
「もし捕まりそうになったら、一緒に逃げよう。なにもうあとちょっとで十五年じゃねえか。てことは、時効ってやつだよ。な、わかるか。ここまできたら、死ぬまで逃げて逃げて逃げ切るんだよ。ひとりじゃ辛くてもな、おれとふたりならなんとかなる」
 なんとかなる、おれとふたりなら……って、あんちゃん。三上の文字に、大きな目をうるうるさせる着ぐるみマン。
「有難うだな。ほんとうに有難うだな、あんちゃん」
 でもやっぱりかぶりを振る着ぐるみマン。
「だめだな、やっぱり、あんちゃん。だってあんちゃんまで、巻きぞえにしてしまうだな」
 何だと。苛々する三上。
「そんなこた、いいんだよ」
 けれど尚も激しくかぶりを振る着ぐるみマン。
「絶対だめだな。だってあんちゃんには、百合さんがいるだな」
 百合だと……。ああ、そうだった。すっかり忘れてた。三上は頭を抱えた。そんな三上に、着ぐるみマンは続けた。
「それにおいら、もうそろそろ夢の国に帰らなきゃならないだな」
「はあ、なんだと」
 こんな時にふざけんなよ。着ぐるみマンを睨み付ける三上。それでも止めない着ぐるみマン。
「もうカラータイマーが、ピコピコ、ピコピコしているんだな」
「はあ、どういう意味だよ、それ」
「もうそろそろ、昼寝の時間もおしまいってことだな」
「だから、どういうことだって」
 怒ったように問う三上に、冷静な着ぐるみマン。
「目を覚ますってことだな」
 目を覚ます……。昼寝即ち人生は夢ってか。三上も冷静になる。
「一年前おめえは、自分は今夢の国で昼寝しながら夢を見てるって言ったけど、じゃ、おれたちがこの星の上で、夢の丘公園のベンチにすわっていっしょに花を見ていたことや、いっしょに風に吹かれたり、木もれ陽を浴びたりしていたことも、みんな夢だったっていうのかよ」
 じっと三上を見詰め返す着ぐるみマン。続ける三上。
「みんな夢なら、そして目が覚めたらみんな消えちまうってゆうんなら、じゃおれたち、いったい何のために生まれてきたんだ。何のために生きているんだ。今おめえとおれとがこうしてふたりでいっしょにいることに、何の意味があるっていうんだよ、ったく」
 しばらくふたりは黙ったまま、見詰め合った。沈黙を破ったのは、着ぐるみマン。
「よかったら、あんちゃん。寒いけど久しぶりにふたりで、散歩しないだな」
 散歩、そうだな。殺風景な外の景色を眺めながら、三上は頷いた。
「よし、行くか。ほんと久しぶりだな」
 こうしてふたりは福寿荘を出て、夢の丘公園に向かった。

 木枯らしの吹く夢の丘公園に辿り着くと、ベンチの周りに水仙の花が咲いていた。甘い香りが風に乗って通行人の鼻に届く。人々はふと足を止め、寒さを忘れ香りに酔う。ぶるぶるっと震え、思い出したようにそしてまた人々は歩き出す。なぜ水仙は咲いているのか、なぜ毎年咲くのか、しかもこんな寒い季節に。そう問い掛ける者もいない。なぜそこに咲いているのかと。そして水仙が風に揺れることにどんな意味があるのか、冷たい雨が水仙を濡らしたり、水仙の上に雪が舞い落ち、水仙の上に雪が積もったりすることに。
 風に揺れる水仙の前にしゃがみ込んで、着ぐるみマンは三上のさっきの問いに、メモ帳で答えた。
「あんちゃん。いっしょにいた、いや、いっしょにいること自体に、意味があるのかもしれないだな」
 なに。今度は三上が着ぐるみマンをじっと見詰め返した。睨み付けるように、それからそっと微笑み返すように。
「そうかも、しんねえな」
 木洩れ陽がふたりを照らし、ふと水仙が風に揺れ三上と着ぐるみマンに笑い掛けた気がした。ぶるぶるっと震えながら、ふたりは夢の丘公園を後にした。
 その日の晩、東京には雪が降り始めた。天気予報ではこの冬首都圏最後の雪ではないかと無責任に告げている。詰まり、名残り雪ってやつ。雪は一晩降り続き、翌日の日曜日の朝も降り続き、東京は雪景色。着ぐるみマンのドリームランドも雪が覆い、カルーセルの青い屋根にも雪が積もった。予定されたアトラクションは早々に中止。暇が出来た着ぐるみマンは、突然こんなことを三上に頼んだ。
「百合さんを呼んで、いっしょに食事したいだな」
 どうしてまたそんな行き成り急に。そう問い掛けたかったけれど、三上は黙って頷いた。不意に、最後の晩餐、そんな言葉が三上の胸をよぎった。
「じゃコスモス行ってくっから」
 降り積もる雪道を、三上はコスモスへ。百合はレジにいて、夕方には上がるという。じゃアパートで待ってっからと、そんなことをメモ帳でやり取りし、三上はとぼとぼ福寿荘へと戻った。
 何か問いたいけれど、何も言えずと言うか書けずに三上は自分の部屋に閉じこもり、ぼんやりと窓から雪を見て過ごした。着ぐるみマンの部屋からは、すやすやと寝息が聴こえて来る。昼寝してんのか、あいつ。昼寝……。いつかどんな夢でも、覚めるものなのか。良い夢でも悪い夢でも。悪い夢、悪夢。あいつ、自分の人生を、まさか悪夢だなんて思ってねえだろうな。目を覚ますってあいつ、まさか自殺するつもりじゃあ……。でもちゃんと死なないって言ったよな、あいつ。そのうちうつらうつら、いつか三上も午後のうたた寝の中へ。
 ふと目が覚めて外を見ると、なぜかそこには着ぐるみマン。何をしているのかと見れば、雪の積もった路上で踊っていた。降り続く雪の中、傘を差しくるくると傘を回転させながら。傘は破れかぶれの、あの女物のおんぼろ傘。BGMの痩せた口笛はエデンの東ではなく、テリーのテーマ。おっ、三上は歓声を上げたい気分。くるくるくるくるとおんぼろ傘が回る。傘に染み付いた、あの夏祭りの晩の土砂降りの雨の滴を振り払うように。まっ白な雪で洗い清めるように。くるくるくるくる傘へ、着ぐるみマンの肩へと雪が舞い落ちる。三上はただじっと、窓から眺めているばかり。やがて踊り疲れた着ぐるみマンの前に、スーパーコスモスのレジ袋を下げた百合が現れる。さあもう中に入りましょう。やさしく微笑む百合。ふたりは三上の待つ福寿荘へ。雪は次第に小降りになり、夜の帳が下りる頃にはとうとう止んでしまった。
 狭い台所で百合の手料理。メニューはカレーライス、インスタントラーメン、それに林檎サラダ。三人で折りたたみ式の小さなテーブルを囲む。その前に百合と三上の前で、着ぐるみマンは着ぐるみの頭を取り、素顔を曝す。そこにはやっぱり相変わらず痩せた渡辺の顔。けれどその表情は穏やかで、何処か吹っ切れたような、悟りを得たような澄んだ眼差しをしていて、三上を驚かせた。
 いただきまーす。日曜日の夜の晩餐。三人は黙々と食事。スプーン、箸、丼、お皿のぶつかる音。ぱくぱくパクパクご飯を頬張り、ズルッズルッと麺を吸いスープをすすり、ふうふうあちっ。もぐもぐムシャむしゃ、こりゃ美味しい。生きてて良かったと舌鼓の音、音、音……。三人の立てる食事のノイズが、いつもは人間臭い生活の匂いのしない三上の部屋に、ほんのひと時響いていた。
 夜も更け、街はしーんと静まり返って、窓からは東京大都会の雪景色。後片付けを済ませると、それじゃまたねと百合。ああ、ご馳走様。美味かっただな。どういたしまして。三人は目と目と目で挨拶を交し合う。別れ際渡辺は百合の手を握り締め、幾度も有難う有難うと頭を下げた。百合が帰り、またふたり切りに戻る。渡辺はまた着ぐるみを被り、着ぐるみマンに戻った。
 就寝の時刻。三上がパジャマに着替え布団を敷くと、突如着ぐるみマンが三上の部屋に乱入。どうしたんだよ、行き成り。戸惑う三上に、着ぐるみマンはメモ帳に返事を記した。
「眠れないだな、今夜はここで寝させてほしいだな」
 へえ。驚きながらも、ああいいよと頷く三上。消灯の前に、着ぐるみマンは三上に何かを差し出す。それはぶたの貯金箱。何年もずっと持っていたのか、すっかり汚れていた。何だよ、それ。ぽかんとする三上に、着ぐるみマン。
「あんちゃんに返そうと思って、ずっと貯めてただな」
 へっ。驚く三上。
「金なんか、貸したおぼえねえぞ」
 すると着ぐるみマン。
「いっぱいあるだな。風の丘公園であんちゃんから受けた恩は、いくら返しても返しても返しきれないだな」
 目をうるうるさせ、じっと三上に訴え掛ける着ぐるみマン。
「受けとってくれだな」
 着ぐるみマンの熱意に打たれ、ったく、仕方ねえなあ。三上は渋々承知する。
「じゃおれがあずかっとくから。いいだろ、それで」
 古びたぶたの貯金箱を受け取ると、三上は大事に美樹の仏壇の前に置いた。
 さあ寝るべと消灯し、三上の布団の隣りで着ぐるみマンも横になる。何だか小学校の修学旅行気分で、三上は落ち着かず眠れない。何度も目を瞑ってはまた開き、ぼんやりと外を眺める。積もった雪はまだ残っていて、空には星が見える。星を見ながら三上は、着ぐるみマンの今日の行動を振り返った。急に百合を呼んで食事したり、ぶたの貯金箱を渡したり、こうしてわざわざ部屋を訪れ眠りに来たり。こいつ、一体どう言うつもりだ。
 あ、もしかして……。三上ははっとした。もしかして着ぐるみマンのやつ、俺の前から姿を消すつもりじゃねえだろうなあ。そう思い始めたら、心配で仕方がない。
 見るとと言うか聴くと、目は瞑っているものの着ぐるみマンの寝息がしない。どうやらこいつ狸寝入りで、起きていやがるらしい。三上は堪え切れずに、とうとう着ぐるみマンの肩をとんとん。すると思った通り着ぐるみマンは直ぐに目を開けわざとらしく、どうしただなと、三上にメモ帳を渡した。三上は暗い中で、早速メモ帳に書いた。
「おめえ、変なこと考えてねえだろうな」
「変なことって、何だな」
「だから黙ってここからいなくなろうとか、ひとりで逃げようとか、そんなこったよ」
「まさかだな」
 かぶりを振る着ぐるみマン。それでも三上は安心出来ない。
「おめえはずっとここにいていいんだから。昨日も言ったけどというか書いたけど、おれがおめえを守るから」
 すると、着ぐるみマンは黙って頷いた。
「約束だぞ」
 念を押す三上に、着ぐるみマンは分かっているだなと、笑顔で応えた。
 眠れないふたりは、その後も横になったまま語り続けたと言うかメモ帳のやり取りを続けた。
「なあ、でももしだぞ、おめえがずっといなかにいたとしたら、おれたちゃ今頃会うこたなかったんだな」
「あんちゃん、夢の国に、もし、なんて言葉はないんだな」
 かぶりを振る着ぐるみマンに、そうだなと頷く三上。夢の国か。三上は着ぐるみマンの田舎の遊園地、取り壊されずに今も残されたまんまのあの「夢の国」を思い出さずにはいられなかった。それに雪に埋もれもう二度と再び動くことのないカルーセルと、綾ちゃんの顔も。
 三上は想い描く。幼い綾ちゃんの笑顔を乗せて回っていたであろう過ぎし日のカルーセルの勇姿を。そして綾ちゃんを見守る着ぐるみマンと奥さんのシルエットを。その時夢の国には、音もなく粉雪が舞っているんだよ。着ぐるみマン一家を、やさしく見守るようにな……。
「夢の国ってのは、宇宙で初めて夢と涙が生まれた惑星なんだな。つまり泣き笑いの星ってわけだな」
「おいおい、それって地球のことじゃねえかよ」
「ま、そうともいうだな」
 何言ってんだか。ぷっと吹き出す三上。あほか、ったく。もう深夜なんだから、笑わすなよ。
「どうしてこの星に、風が吹くか知っているだな」
「知らねえよ」
「はじめてこの星の上で誰かが泣いた時、この星に風が生まれただな。それ以来どこかで誰かが泣く時、風が吹くようになったんだな」
「へえ」
「だから悲しみがこの星から完全になくなる時、風もまた止むんだな」
「なるほど。でもそれはそれで、さみしいことだな」
 三上のメモ帳の文字が、だな、で終わり、着ぐるみマンがふわあと大欠伸。流石にねっみいなあ、おい。そろそろ寝るか。そだな。ふたりは頷き合い、そのまま仲良く眠りに落ちた。すやすやと部屋にはふたりの寝息が響き、窓の向こうにはまだ積もった雪が残り、夜空には真冬の銀河が瞬いていた。
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