第3話 Uralilaiset kielet

文字数 3,106文字

ウラル言語
ウラル言語は言語族を形成しており、その言語は現在ウラル山脈の両側とヨーロッパの広い地域で話されている。ウラル言語は30以上あり、その話者は約2,070万人である。これらはウラル族によって話されている。フィンランド語もウラル言語グループのバルト・フィン語派に属する。ウラル語グループに属する他の州言語は、エストニア語とハンガリー語である。他のウラル言語は少数言語であり、そのほとんどはロシアで話されている。

「ウラル言語」と「フィン・ウゴル語」という呼称は、言語グループ全体を意味する同義語である場合がある。

ウラル語族
ウラル語族(ウラルごぞく)は、シベリア(北アジア)中北部、北ヨーロッパ、東ヨーロッパに話者地域が分布する語族である。約2,500万人で話されている。フィン・ウゴル語派(サーミ語、フィンランド語、エストニア語など)、サモエード語派(ネネツ語など)に大別できる。

特徴
ウラル語族に属する言語には次の特徴がある。

⚫母音調和
フィンランド語の母音調和
フィンランド語には、ひとつの語の中に一緒に現われることのできる母音の組合せに一定の制約があって、この現象は母音調和と呼ばれている。同様の現象は,トルコ語やハンガリー語にも見られる。

母音調和とは、あるグループの母音と別のグループの母音は同じ語の中に現れることが出来ないという法則である。 例えば Ä と A は別のグループに属するので、フィンランド語には tämä(これ)という単語はあるが、tamä という語はない。

フィンランド語は語尾にさまざまな要素が付いて日本の「てにをは」に当たる格を表すが、そのときにもこの母音調和のルールが支配する。

簡単に言うと、母音 A・E・I・O・U・Y・Ä・Ö の8文字の内、 Y・Ä・Ö は前母音、 A・O・U は後母音と呼ばれ、それぞれ別のグループに属する(複合語を除き一語の中に混在できない)。また E と I は中立母音と呼ばれどちらのグループとも一緒になることが出来る。母音調和が影響するのは、人称変化や格変化の時である。

⚫膠着語
膠着語(こうちゃくご、英: agglutinative language)または粘着語、粘著語(ねんちゃくご)は、言語類型論による自然言語の分類のひとつ。膠着語に分類される言語は、ある単語に接頭辞や接尾辞のような要素を付着させることで、その単語の文の中での文法関係を示す特徴を持つ。ドイツの言語学者であるヴィルヘルム・フォン・フンボルトによって1836年に提唱された。

⚫後置詞言語
英語やフランス語の場合のように、名詞の前に置かれるものを前置詞、日本語の助詞のように、名詞の後に置かれるものを後置詞と呼ぶ。フィンランド語はこの意味で日本語に似ている。また、フィンランド語はほとんどがローマ字読みすればよく、子音の後に母音が続くので、フィンランド語の発音は日本人には比較的簡単で、単語の音も覚えやすい。

⚫双数(そうすう)
二つ組を成すものを示す数、またはそれを「一つ」や「三つ以上」と区別する語法。
目や耳といった、一般に二つ組になっているものについて、「一つ」とも「三つ以上」とも語形や文法的取り扱いが異なること。古典ギリシア語等に見られる。

双数(そうすう、英: Dual)また両数(りょうすう)は、数の文法範疇をもつ印欧語やその他の言語において、2つのものを数える場合にとる形である。自然界には人間の目や耳など対をなすものが多く存在することから、まずこれらのものを表すために特別な形が設けられ、その後対をなさない2つのものにも使われるようになったと考えられる。

なお語順は、東部は主にSOV(主語 - 目的語 ― 動詞)型、西部は主にSVO(主語 ― 動詞 ― 目的語)型である。フィンランド語は後者である。



Linguistic maps of the Uralic languages
ウラル言語の言語地図Wikipedia
画像著者:Maximilian Dörrbecker (Chumwa) - own work information was provided by Dr. phil. İhsan Yılmaz Bayraktarlı

ウラル語族、ユカギール語の分布
サモエード語派 - SN:北部サモエード語群、SS:南部サモエード語群
フィン・ウゴル語派 - FU:ウゴル諸語、FP:ペルム諸語、FW:ボルガ・フィン諸語、FS:サーミ語、FO:バルト・フィン諸語
(J:ユカギール語)
非常に小さいが親指と人差し指で開くと拡大して見ることができる。

ウラル語族とされる言語は以下の通り。

サモエード語派(Samoyedic)
北部サモエード語群
ガナサン語 (Nganasan)
ネネツ語(nyenec、英:Nenets)
ツンドラネネツ語
森林ネネツ語
エネツ語(Enets)
ユラツ語 - (Yurats)…死語
南部サモエード語群
セリクプ語 - オスチャーク・サモエード語 (Selkup) とも言う
カマス語(カマシン語/Kamassian)…死語
マトル語 - モトル語(Mator)…死語
フィン・ウゴル語派 (Finno-Ugric)
ウゴル諸語(Ugric)
オビ・ウゴル諸語(Ob-Ugric)
ハンティ語(Khanty) 旧称オスチャーク語
マンシ語(Mansi) 旧称ボグール語
ハンガリー語(magyar、英:Hungarian) マジャール語とも呼ばれる
ペルム諸語
ウドムルト語(Udmurt) かつてボチャーク語と呼ばれた
コミ語(Komi) かつてジリエーン語と呼ばれた
コミ・ペルミャク語
コミ・ヨドジャク語
コミ・ジリエーン語
フィン・ヴォルガ諸語
マリ語(Mari) かつてチェレミス語と呼ばれた
モルドヴィン諸語(Mordvin)
エルジャ語
モクシャ語
サーミ諸語(sami、英:Sami) ラップ語とも言われる》
バルト・フィン諸語(Balt-Finnic)
バルト海岸、フィンランド湾、リガ湾で話されている。フィン諸語とも言う
フィンランド語(suomi、英:Finnish) スオミ語とも言う
エストニア語(eesti、英:Estonian)
カレリア語(karjala、英:Karelian)
ヴェプス語(lüüdi, veps/beps、英:Vepsian)
イジョール語(Izhorian)
ヴォート語(vad´d´a/vadja、英:Votian)
リヴォニア語(livvi、英:Livonian)

つまり、フィンランド語は英語やドイツ語や、ほかの北欧語(デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語などの北ゲルマン語)と系統が違うので、わずかな外来語以外は、英語やドイツ語や北欧語の知識が、見た目にも役に立たない。例えば、ドイツ語の分かる人がIKEAに行ってそのスウェーデン語の商品名を見るとなんとなく意味が分かったりしても、スウェーデン語ができる人がフィンランド語を見て「勘が働く」ということはない。ちなみにフィンランドでは、フィンランド語とスウェーデン語が公用語になっており、その他にサーミ語などの少数民族語も存在する。


フィンランド語の本。向かって左から2018年のエアショーのパンフレット、ムーミンのフィンランド語 ― 英語の絵本辞書、フィンランドの歴史雑誌(マンネルヘイム元帥が表紙を飾っている)。ろっべ所有の書籍。

私は個人的に「syys」「myös」などの並びの文字に遭遇すると、英語やドイツ語と違う言語を感じる。単語の字面だけでなく、文法もこれらの言語とは違うが、その話はまたおいおいする。




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