9、スペインでの反響と私の創作
文字数 1,524文字
ミゲル・セルベートが20歳の時に出版した『三位一体説の誤り』はスペインでも問題になった。
Servet, convencido de su verdad, envió ejemplares al obispo de Zaragoza, a Italia y al mismo Erasmo de Rotterdam. La Inquisición española reaccionó con presteza y el 24 de mayo de 1532 inició un proceso contra Servet. La persona encargada de hacerle regresar a España, fue su hermano Juan que era sacerdote, quien fracasó en su misión.
セルベートは自分の正しさを証明するために本をサラゴサの司教、イタリア、そしてロッテルダムのエラスムスに送った。スペインの異端審問所はすぐに反応して、1532年の5月24日からセルベートに対する取り調べを始めた。彼をスペインに連れて帰るように命じられたのは聖職者になっていた兄のフアンであったが、その使命は失敗に終わった。
『三位一体説の誤り』はカトリックとプロテスタントの両方から批判されたが、それでも彼は自分の正しさを信じて、本を各地に送っていたが、そのことが彼を更なる窮地に追い込んでいる。スペインの異端審問所はすぐに取り調べを開始し、彼をスペインに連れ帰る役割は兄のフアンに任せられた。兄フアンはどのような気持ちだったのか。ここから先は私の想像で書いている。
弟のミゲルとはもう何年も会っていない。私達兄弟は兄ペドロが家を継ぎ、私は聖職者になった。ミゲルは小さなころから頭がよかったので、父は彼の教育に力を入れ、有名な学者に弟子入りさせ、トゥールーズの大学にも行かせた。だが、ミゲルは父の期待を裏切って1年ほどで大学を辞め、師に同行してボローニャまで行き、それからは行方不明になっていた。
私は異端審問所に呼び出され、1冊の本を見せられた。『三位一体説の誤り』タイトルを見ただけでそれが異端の本であるとすぐにわかった。著者は弟のミゲルだった。弟は堂々とその異端の書に自分の名前を入れていた。私は弟のミゲルを連れ帰ることを命じられた。
スイス、フランス、ドイツの街を巡りながら、私は憂鬱であった。異端の本を書いたミゲルをスペインに連れ帰れば間違いなく処刑され、家族も処罰を受けるであろう。だが、ある街で弟らしき男に出会ってしまった。
「私の名前はフアン・セルベート。父の名前はアントンで兄はペドロ、弟のミゲルを探しているが、そなたは知らないか?」
「フアン、フアン兄さんですか?」
「もしミゲルを知っているなら伝えて欲しい。スペインに帰ってはいけない。それから名前を変えて生きるようにと・・・」
「は、はい」
「様々な場所に行ったが弟を見つけることはできなかった。スペインに帰って異端審問所にそう報告する」
「兄さん・・・」
私はすぐに弟から離れた。その日の夜、もう1度持っていた弟の本のページをめくったが、すぐに本を閉じた。間違いなくこれは異端者の本である。
ここまでが私の創作である。スペイン語の本は知らない単語ばかりで読むのに時間がかかっていた。4月にスペイン語教室に通い始め、本を読むのを再開したが、時代背景と生涯について10ページほど読むのに3か月かかっていた。だが、苦労して読んだその10ページ、特にミゲル・セルベートの生涯の若い頃の体験は私の心に強く刻まれ、想像力をかきたてた。
Servet, convencido de su verdad, envió ejemplares al obispo de Zaragoza, a Italia y al mismo Erasmo de Rotterdam. La Inquisición española reaccionó con presteza y el 24 de mayo de 1532 inició un proceso contra Servet. La persona encargada de hacerle regresar a España, fue su hermano Juan que era sacerdote, quien fracasó en su misión.
セルベートは自分の正しさを証明するために本をサラゴサの司教、イタリア、そしてロッテルダムのエラスムスに送った。スペインの異端審問所はすぐに反応して、1532年の5月24日からセルベートに対する取り調べを始めた。彼をスペインに連れて帰るように命じられたのは聖職者になっていた兄のフアンであったが、その使命は失敗に終わった。
『三位一体説の誤り』はカトリックとプロテスタントの両方から批判されたが、それでも彼は自分の正しさを信じて、本を各地に送っていたが、そのことが彼を更なる窮地に追い込んでいる。スペインの異端審問所はすぐに取り調べを開始し、彼をスペインに連れ帰る役割は兄のフアンに任せられた。兄フアンはどのような気持ちだったのか。ここから先は私の想像で書いている。
弟のミゲルとはもう何年も会っていない。私達兄弟は兄ペドロが家を継ぎ、私は聖職者になった。ミゲルは小さなころから頭がよかったので、父は彼の教育に力を入れ、有名な学者に弟子入りさせ、トゥールーズの大学にも行かせた。だが、ミゲルは父の期待を裏切って1年ほどで大学を辞め、師に同行してボローニャまで行き、それからは行方不明になっていた。
私は異端審問所に呼び出され、1冊の本を見せられた。『三位一体説の誤り』タイトルを見ただけでそれが異端の本であるとすぐにわかった。著者は弟のミゲルだった。弟は堂々とその異端の書に自分の名前を入れていた。私は弟のミゲルを連れ帰ることを命じられた。
スイス、フランス、ドイツの街を巡りながら、私は憂鬱であった。異端の本を書いたミゲルをスペインに連れ帰れば間違いなく処刑され、家族も処罰を受けるであろう。だが、ある街で弟らしき男に出会ってしまった。
「私の名前はフアン・セルベート。父の名前はアントンで兄はペドロ、弟のミゲルを探しているが、そなたは知らないか?」
「フアン、フアン兄さんですか?」
「もしミゲルを知っているなら伝えて欲しい。スペインに帰ってはいけない。それから名前を変えて生きるようにと・・・」
「は、はい」
「様々な場所に行ったが弟を見つけることはできなかった。スペインに帰って異端審問所にそう報告する」
「兄さん・・・」
私はすぐに弟から離れた。その日の夜、もう1度持っていた弟の本のページをめくったが、すぐに本を閉じた。間違いなくこれは異端者の本である。
ここまでが私の創作である。スペイン語の本は知らない単語ばかりで読むのに時間がかかっていた。4月にスペイン語教室に通い始め、本を読むのを再開したが、時代背景と生涯について10ページほど読むのに3か月かかっていた。だが、苦労して読んだその10ページ、特にミゲル・セルベートの生涯の若い頃の体験は私の心に強く刻まれ、想像力をかきたてた。