1 水無月 零

文字数 334文字

公式の日本史に彼らの存在は

認められていない

有力な手掛かりや資料が

あまりにも少なく

執筆の際には頭を悩ましていた



それでも外国の文献には

祖国の権力争いに破れ

この遥かな島国まで逃げて来た

西洋人達の話が僅かだが記されている



その肌や髪、瞳の色の違いは

海の向こうを知らないモンゴロイドには

畏れを与えた事だろう

彼らが誰にも見つからないよう

ひっそりと内陸の高原で暮らしていた事は容易に想像できる



個人的な研究を進めてるうちに

彼らの痕跡を残す有力な手掛かりを突き止めた



「ここからなら、二十時間ってところか」

私が睨み付けた山脈に高速は通ってなかった

もしかしたら道すら無いかもしれない

それでも私の心は突き動かされていた

水を一気に飲み干し

売店でバニラ味のソフトを買うと

ジープに向かって走り出した 

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み