2 瞳
文字数 324文字
モデルのようにすらりとした
外ハネショートの女が
ライフルを持ちながら近付いてきた
足場の悪い小石の上も慣れてるようで
ロングスカートのスリットから覗かす細い足は
一度もつまずく事がない
皮の短ブーツが砂利を踏みつける度に
リズムを奏でているようで
まるで彼女が踊っているかのような
錯覚を味わう
彼女は
黒いボタンシャツの上から羽織る
半袖ジージャンの胸ポケットから
銃弾を取りだすと
まだ銃口から煙が立ち上がるライフルに詰め込んだ
私の横を通り過ぎると
薬莢の匂いが鼻についた
目線の位置が私と変わらず
私と同じ黒髪の下で
気だるく重そうな瞼が開き
光を帯びつつも妖しげな瞳に
私のきょとんとした表情が反射していた
艶のある童顔は化粧を一切しておらず
甘く微笑む小さな唇は
実に自然体だ