1 水無月 零

文字数 304文字

頭上は快晴

透き通るようなブルーに散りばめられた積雲が

普段、部屋にこもった私に開放感を与えてくれる



アクセルを深く踏み込むと

エンジン音がより大きくなった

他の車を次々と追い抜き

ささやかな優越感に浸る



何回目かのサービスエリアで

遅い朝食と用を足す為

ジープを止める

ネットで話題のレストランで

地元産の卵が絶妙な味の

どんぶり飯を平らげていると

トレーに敷かれた印刷物が目についた



日本列島隅々に張り巡らされてる

高速道路を強調した地図だった



目を逸らそうとした瞬間

ふと、今、書いている小説の内容が頭を過った



それは紀元前にも遡る

まだ日本がひとつの国として

まとまっていなかった頃

遥か西洋より海を渡って来た

小規模の群衆の

知られざる歴史だ 


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