第24異世界交易コロニーの「アイドル」【7】
文字数 4,023文字
あたしとアイドル、とーるくんがライブ会場に着く。
現場はライブが明日ということもあり、誰しもがかなり騒然と、忙しなく動き回っていた。だが、アイドルの姿を1人が確認すると「お疲れ様です!」と、深々とアイドルにお辞儀をする人たちで溢れ返っていく。
「社長はいる?」とアイドルが近くのスタッフに声をかけると、あたしととーるくんに気がついた人たちが何事かとざわつきだした。
ざわつき出しているスタッフの中には、「彼女がリハを遅れてくる時はいつもこれだ……」「飛び入りか、徹夜確定......」とぼやく人たちも見られた。
彼女が、あたしたちのように誰かを突然連れてくることは珍しくないのだろう。
アイドルがスタッフから社長の場所を聞き、あたしたちが着いてくるのを確認して、社長のいる場所へ歩き出した。ライブ会場に来る前からそうだったが、時間が惜しいのか、アイドルは常に足早である。
その道すがら、あたしは先ほどのスタッフのぼやきの確証を得るためにアイドルに聞いた。
「あんたはライブがあるごとにあたしたちのように誰かを連れてきてるのかい?」
「いつもではありません。貴方たちのように、ライブが盛り上がると確信できた人がいれば声をかけています。それと許可が下りないわけないですが、社長には目を通してもらいます」
アイドルは先頭を歩きながら、ちらりとこちらを見るも歩みを止めることはない。
「分かってるとは思うけど、まだあたしたちがライブに出るとは決めていないよ」
あたしはここまできて断るつもりは毛頭ないのに、アイドルの反応を見るためにボヤかす。
「ぼくも出るとは言っていません!!」
「ええ。ですが、私のリハーサルを見れば、貴方は必ず出たくなります!」
「そこまでの自信があるんだね。楽しみだよ!」
それからは、社長と言われなければ、他のスタッフと見間違うような風貌の男と出会った。
「君が選んだのなら問題ない」と、アイドルは、あたしたちの参加を二つ返事で承諾を得るとライブのステージに案内された。
1億人を動員するライブなので、とんでもない広さかと思いきや、5万人ほどしか収容できないドーム会場とほとんど変わらない。
会場は、ステージを中心に客席が囲う形で配置されている一般的なタイプだ。その客席の幅は、ゆったりとしたサイズで5万人も収容できない間隔で配置されている。
けれども、あたしには会場が狭くても大丈夫な理由に心当たりがある。
このステージは”異世界”のどこからでもステージが見えるように設計されていて、かつ複数の空間にまたがって存在しているのだ。
これは実物がそのまま映るテレビの中継に似ており、観客は遠く離れた場所からでも、まるで目の前にいるかのようにライブを楽しむことができる。
さらに、会場自体が複数の次元空間に分けられていている。
つまり同じ会場であっても、チケットによって異なる空間、例えば「A空間」、「B空間」などにアクセスすることになる。
これらの空間は、同じ会場に見えるものの、実際には異なる次元に存在しているのだ。
会場の物理的な広さに関わらず、非常に多くの観客が同時にライブを見ることが可能となっている。
これにより、”異世界”中から観客を集めることができ、1億人を動員することができるのだ。
あたしが明日のライブに向けてステージの状態や大きさ、形状を念入りに確認していると、アイドルがあたしの行動を観察して言った。
「もう貴方を説得する必要もなさそうですね」
「そ、それはどうだろうね」
あたしは、すっかり明日のイリュージョンの構成を真剣に考えていたが、自分の慎重であるという態度を崩したくないために繕う。
「ぼくはまだ承諾していません!」
あたしよりも冷静なとーるくんに感心した。彼が見ているから大丈夫だ。あたしは警戒することを忘れ、イリュージョンに専念することにした。
「リハーサルの準備に取り掛かるので、ここで待っていてください!」
アイドルは、隙のないにこやかな表情をして楽屋に移動していく。
その間もあたしは、このステージでどんなイリュージョンを披露するべきかと考え込んでいた。
近くのスタッフに、このステージにはどんな仕掛けがあるのか、どこまでできるのかも事細かに聞き出すこともする。
「すい、やる気満々ですね!」
あたしの側をついて回っていたとーるくんが分かりきったことを聞いてきた。
「……あとは彼女の実力しだいだね……」
そう、あとは彼女の実力次第で、どこまでイリュージョンと上手く混ざり合うことができるかが決まってくる。
共演する以上、イリュージョンがアイドルよりも目立ったり、彼女の良さを失わせてもいけないのだ。
あたしの心は、はやく彼女のリハーサルを見たいと言っている。
「そんなにあっさり信用してしまって大丈夫ですか?!」
イリュージョンに上の空になったあたしにとって、とーるくんは唯一の理性と言えるだろう。しかし、あたしはそっけなく返答をする。もうイリュージョンの事を考えていたくて仕方がないからだ。
「きっと大丈夫だよ。彼女からは騙したいとか、利用したいとかそういった悪意は感じられなかったからね」
「根拠はあるのですか?」
「ただの勘だよ」
「おまたせしました。いまからリハやります!」
楽屋から戻ってきたアイドルは、ゴールドとホワイトを中心にした衣装に着替え、優雅さと力強さを兼ね備えているようであった。
彼女の衣装は、胸元が大胆に開いたコルセット風のトップスと、腰から裾にかけてふんわりと広がるホワイトのスカートだ。スカートの裾は黒いレースで縁取られ、スカートの下からは、絶妙な透け感のある黒いストッキングが覗いている。
首元には、金色の円形のオーラのような装飾が放射状に広がっており、それは彼女のステージ上での輝かしい存在感を象徴しているかのようだ。
そんなアイドルのリハーサルから見て取れたものは、あたしの直感を裏付けるかのような、本気で歌と踊りを披露する彼女の姿であった。
彼女の声は、広大な”異世界”を一瞬で駆け抜ける光のように会場を満たし、心に響く。そのダンスの一挙手一投足には、熱意と熟練の技が見て取れ、観客を熱狂の渦へと誘う魔性さを秘めているようであった。
アイドルのエネルギッシュながらも計算された動きは、彼女が音楽と一体となり、情熱を形にする1人の立派なアーティストだと感じ取れた。
ただ、演出や歌詞などに少々お金が関連する独特な内容が含まれていたが、これが彼女の良さなのだろうとあたしは納得する。
そこから先は、とんとん拍子で事が進んでいった。
リハーサルを終えたアイドルに、あたしは出演OKを伝えると、彼女は側までかけよってきて、あたしの手を両手で握る。
「絶対にライブを成功させましょう!!」
「もちろんだよ!!」
あたしもアイドルの手をがっちりと握り返して、あたしの意気込みを伝える。
「ぼくも頑張ります!!」
その後に、あたしは曲にあわせたイリュージョンをアイドルに見せた。
お互いに細かな指摘をし合い、たった3回の通しをしただけで、お互いに納得の行くできのイリュージョンが完成した。
あたしたちの合わせは、大勢のスタッフの注目を集めていたようで、周りには人だかりができていた。
「私達のことばかり見てないで、仕事に戻ってくださいね~!」
アイドルが一声上げると、蜘蛛の子を散らすようにスタッフは捌けていく。しかし、その場には社長だけが残っていた。この流れには嫌な予感しかしなかったが、それが正しいとすぐに分かった。
社長は、アイドルの慧眼とスカウト力を褒めると共に、すいに事務所で働かないかと懇願してきたのだ。
数年に1回でも良いから連絡先を教えて欲しいとも言われたが、それももちろんきっぱりと断った。
その後は、あたしたちはアイドルに手配してもらった会場に近い高級ホテルに泊まることになった。
豪華な夕食は、どんなものでも出せるということだったので、生まれ故郷の味、鯛の姿造りにした。とーるくんは「魚をぼくの目の前で食べないでください〜…」と嫌がっていたが気にせず食べた。
でも、とーるくんはオーダーした”ストームロブスター”や”ニブルヘイムズシェル”の刺身に燻製、ボイルが到着すると「美味しいです!!」と満足そうに食べていたので問題はないだろう。
あたしたちは、久々の好物に舌鼓を打ち、身も心も満腹になった。そして、今はリラックスできる甘い匂いが優しく香る、ふかふかのベッドで寝転んでいる。
さっきまでの無邪気な笑顔はどこに消えてしまったのか、とーるくんは終始、明日のライブについて緊張して顔を青ざめさせている。
「そんなに緊張したって仕方ないよ、せいぜい緊張を楽しむんだね」
あたしはイリュージョンでミスされては困ると、心配して声をかけてあげる。
すると、直後にとーるくんは、すぐベッドで眠りに就いたのか、まな板の上の魚のように動かなくなった。
若干癪に障ったあたしは、近くにあったクッションをとーるくんに投げつける。
すると、とーるくんにクッションが当たり飛び起きた。
あたしはすぐに寝たふりをする。薄目でとーるくんを見ると、起こしたら怒られると追求することができずにいるようだ。思わず吹き出してしまいそうになる。
けれども、その後もずっとふらふらしているだけのとーるくんに飽きて寝ようとすると、彼は何を思ったのか「明日のイリュージョンはミスなく、完璧にこなしてみせます!」と意気込んだ。
「そのつもりで頼むよ」
あたしは、その決意には感心したと声をかけると、とーるくんは驚いたようだ。
「えっ!?起きてたのですか!?」
「もう寝てるから、早くとーるくんも寝てよ」
「えっ!?すいは、寝ながら会話できるのですか!?魔術ですか、技術ですか!?」
「うるさい……」
そうして、あたしは眠りにつくのだった。
現場はライブが明日ということもあり、誰しもがかなり騒然と、忙しなく動き回っていた。だが、アイドルの姿を1人が確認すると「お疲れ様です!」と、深々とアイドルにお辞儀をする人たちで溢れ返っていく。
「社長はいる?」とアイドルが近くのスタッフに声をかけると、あたしととーるくんに気がついた人たちが何事かとざわつきだした。
ざわつき出しているスタッフの中には、「彼女がリハを遅れてくる時はいつもこれだ……」「飛び入りか、徹夜確定......」とぼやく人たちも見られた。
彼女が、あたしたちのように誰かを突然連れてくることは珍しくないのだろう。
アイドルがスタッフから社長の場所を聞き、あたしたちが着いてくるのを確認して、社長のいる場所へ歩き出した。ライブ会場に来る前からそうだったが、時間が惜しいのか、アイドルは常に足早である。
その道すがら、あたしは先ほどのスタッフのぼやきの確証を得るためにアイドルに聞いた。
「あんたはライブがあるごとにあたしたちのように誰かを連れてきてるのかい?」
「いつもではありません。貴方たちのように、ライブが盛り上がると確信できた人がいれば声をかけています。それと許可が下りないわけないですが、社長には目を通してもらいます」
アイドルは先頭を歩きながら、ちらりとこちらを見るも歩みを止めることはない。
「分かってるとは思うけど、まだあたしたちがライブに出るとは決めていないよ」
あたしはここまできて断るつもりは毛頭ないのに、アイドルの反応を見るためにボヤかす。
「ぼくも出るとは言っていません!!」
「ええ。ですが、私のリハーサルを見れば、貴方は必ず出たくなります!」
「そこまでの自信があるんだね。楽しみだよ!」
それからは、社長と言われなければ、他のスタッフと見間違うような風貌の男と出会った。
「君が選んだのなら問題ない」と、アイドルは、あたしたちの参加を二つ返事で承諾を得るとライブのステージに案内された。
1億人を動員するライブなので、とんでもない広さかと思いきや、5万人ほどしか収容できないドーム会場とほとんど変わらない。
会場は、ステージを中心に客席が囲う形で配置されている一般的なタイプだ。その客席の幅は、ゆったりとしたサイズで5万人も収容できない間隔で配置されている。
けれども、あたしには会場が狭くても大丈夫な理由に心当たりがある。
このステージは”異世界”のどこからでもステージが見えるように設計されていて、かつ複数の空間にまたがって存在しているのだ。
これは実物がそのまま映るテレビの中継に似ており、観客は遠く離れた場所からでも、まるで目の前にいるかのようにライブを楽しむことができる。
さらに、会場自体が複数の次元空間に分けられていている。
つまり同じ会場であっても、チケットによって異なる空間、例えば「A空間」、「B空間」などにアクセスすることになる。
これらの空間は、同じ会場に見えるものの、実際には異なる次元に存在しているのだ。
会場の物理的な広さに関わらず、非常に多くの観客が同時にライブを見ることが可能となっている。
これにより、”異世界”中から観客を集めることができ、1億人を動員することができるのだ。
あたしが明日のライブに向けてステージの状態や大きさ、形状を念入りに確認していると、アイドルがあたしの行動を観察して言った。
「もう貴方を説得する必要もなさそうですね」
「そ、それはどうだろうね」
あたしは、すっかり明日のイリュージョンの構成を真剣に考えていたが、自分の慎重であるという態度を崩したくないために繕う。
「ぼくはまだ承諾していません!」
あたしよりも冷静なとーるくんに感心した。彼が見ているから大丈夫だ。あたしは警戒することを忘れ、イリュージョンに専念することにした。
「リハーサルの準備に取り掛かるので、ここで待っていてください!」
アイドルは、隙のないにこやかな表情をして楽屋に移動していく。
その間もあたしは、このステージでどんなイリュージョンを披露するべきかと考え込んでいた。
近くのスタッフに、このステージにはどんな仕掛けがあるのか、どこまでできるのかも事細かに聞き出すこともする。
「すい、やる気満々ですね!」
あたしの側をついて回っていたとーるくんが分かりきったことを聞いてきた。
「……あとは彼女の実力しだいだね……」
そう、あとは彼女の実力次第で、どこまでイリュージョンと上手く混ざり合うことができるかが決まってくる。
共演する以上、イリュージョンがアイドルよりも目立ったり、彼女の良さを失わせてもいけないのだ。
あたしの心は、はやく彼女のリハーサルを見たいと言っている。
「そんなにあっさり信用してしまって大丈夫ですか?!」
イリュージョンに上の空になったあたしにとって、とーるくんは唯一の理性と言えるだろう。しかし、あたしはそっけなく返答をする。もうイリュージョンの事を考えていたくて仕方がないからだ。
「きっと大丈夫だよ。彼女からは騙したいとか、利用したいとかそういった悪意は感じられなかったからね」
「根拠はあるのですか?」
「ただの勘だよ」
「おまたせしました。いまからリハやります!」
楽屋から戻ってきたアイドルは、ゴールドとホワイトを中心にした衣装に着替え、優雅さと力強さを兼ね備えているようであった。
彼女の衣装は、胸元が大胆に開いたコルセット風のトップスと、腰から裾にかけてふんわりと広がるホワイトのスカートだ。スカートの裾は黒いレースで縁取られ、スカートの下からは、絶妙な透け感のある黒いストッキングが覗いている。
首元には、金色の円形のオーラのような装飾が放射状に広がっており、それは彼女のステージ上での輝かしい存在感を象徴しているかのようだ。
そんなアイドルのリハーサルから見て取れたものは、あたしの直感を裏付けるかのような、本気で歌と踊りを披露する彼女の姿であった。
彼女の声は、広大な”異世界”を一瞬で駆け抜ける光のように会場を満たし、心に響く。そのダンスの一挙手一投足には、熱意と熟練の技が見て取れ、観客を熱狂の渦へと誘う魔性さを秘めているようであった。
アイドルのエネルギッシュながらも計算された動きは、彼女が音楽と一体となり、情熱を形にする1人の立派なアーティストだと感じ取れた。
ただ、演出や歌詞などに少々お金が関連する独特な内容が含まれていたが、これが彼女の良さなのだろうとあたしは納得する。
そこから先は、とんとん拍子で事が進んでいった。
リハーサルを終えたアイドルに、あたしは出演OKを伝えると、彼女は側までかけよってきて、あたしの手を両手で握る。
「絶対にライブを成功させましょう!!」
「もちろんだよ!!」
あたしもアイドルの手をがっちりと握り返して、あたしの意気込みを伝える。
「ぼくも頑張ります!!」
その後に、あたしは曲にあわせたイリュージョンをアイドルに見せた。
お互いに細かな指摘をし合い、たった3回の通しをしただけで、お互いに納得の行くできのイリュージョンが完成した。
あたしたちの合わせは、大勢のスタッフの注目を集めていたようで、周りには人だかりができていた。
「私達のことばかり見てないで、仕事に戻ってくださいね~!」
アイドルが一声上げると、蜘蛛の子を散らすようにスタッフは捌けていく。しかし、その場には社長だけが残っていた。この流れには嫌な予感しかしなかったが、それが正しいとすぐに分かった。
社長は、アイドルの慧眼とスカウト力を褒めると共に、すいに事務所で働かないかと懇願してきたのだ。
数年に1回でも良いから連絡先を教えて欲しいとも言われたが、それももちろんきっぱりと断った。
その後は、あたしたちはアイドルに手配してもらった会場に近い高級ホテルに泊まることになった。
豪華な夕食は、どんなものでも出せるということだったので、生まれ故郷の味、鯛の姿造りにした。とーるくんは「魚をぼくの目の前で食べないでください〜…」と嫌がっていたが気にせず食べた。
でも、とーるくんはオーダーした”ストームロブスター”や”ニブルヘイムズシェル”の刺身に燻製、ボイルが到着すると「美味しいです!!」と満足そうに食べていたので問題はないだろう。
あたしたちは、久々の好物に舌鼓を打ち、身も心も満腹になった。そして、今はリラックスできる甘い匂いが優しく香る、ふかふかのベッドで寝転んでいる。
さっきまでの無邪気な笑顔はどこに消えてしまったのか、とーるくんは終始、明日のライブについて緊張して顔を青ざめさせている。
「そんなに緊張したって仕方ないよ、せいぜい緊張を楽しむんだね」
あたしはイリュージョンでミスされては困ると、心配して声をかけてあげる。
すると、直後にとーるくんは、すぐベッドで眠りに就いたのか、まな板の上の魚のように動かなくなった。
若干癪に障ったあたしは、近くにあったクッションをとーるくんに投げつける。
すると、とーるくんにクッションが当たり飛び起きた。
あたしはすぐに寝たふりをする。薄目でとーるくんを見ると、起こしたら怒られると追求することができずにいるようだ。思わず吹き出してしまいそうになる。
けれども、その後もずっとふらふらしているだけのとーるくんに飽きて寝ようとすると、彼は何を思ったのか「明日のイリュージョンはミスなく、完璧にこなしてみせます!」と意気込んだ。
「そのつもりで頼むよ」
あたしは、その決意には感心したと声をかけると、とーるくんは驚いたようだ。
「えっ!?起きてたのですか!?」
「もう寝てるから、早くとーるくんも寝てよ」
「えっ!?すいは、寝ながら会話できるのですか!?魔術ですか、技術ですか!?」
「うるさい……」
そうして、あたしは眠りにつくのだった。